シンエヴァ・エヴァをもっと知るため、楽しむための11つのモノ【物語の考察は意味がない!?】

2021年4月16日

私はエヴァはテレビ版から好きで、当ブログでも新劇場版:破から感想や考察を書き始めました。
シンエヴァは3回(舞台挨拶中継あり)観に行きました。

もっとエヴァを知りたい、楽しみたいという方、以下を知ったり、観たり聴くともっと楽しめると思います。
 

①新劇場版制作発表の所信表明文

エヴァ序の全記録全集に記載されています。
 

以前、公式サイトに書かれていて、当ブログでも何度か引用させていただいて文章で残っていました。

「エヴァンゲリオン」という映像作品は、様々な願いで作られています。

自分の正直な気分というものをフィルムに定着させたいという願い。
アニメーション映像が持っているイメージの具現化、表現の多様さ、原始的な感情に触れる、本来の面白さを一人でも多くの人に伝えたいという願い。
疲弊する閉塞感を打破したいという願い。
現実世界で生きていく心の強さを持ち続けたい、という願い。

今一度、これらの願いを具現化したいという願い。

そのために今、我々が出来るベストな方法がエヴァンゲリオン再映画化でした。
10年以上昔のタイトルをなぜ今更、とも思います。
エヴァはもう古い、 とも感じます。
しかし、この12年間エヴァより新しいアニメはありませんでした。

閉じて停滞した現代には技術論ではなく、志を示すことが大切だと思います。
本来アニメーションを支えるファン層であるべき中高生のアニメ離れが加速していく中、彼らに向けた作品が必要だと感じます。
現状のアニメーションの役に少しでも立ちたいと考え、再びこのタイトル作品に触れることを決心しました。

映像制作者として、改めて気分を一新した現代版のエヴァンゲリオン世界を構築する。
このために古巣ガイナックスではなく自身で製作会社と制作スタジオを立ち上げ、初心からの再出発としました。
幸いにも旧作からのスタッフ、新たに参入してくれるスタッフと素晴らしい面々が集結しつつあります。
旧作以上の作品を作っている実感がわいてきます。

「エヴァ」はくり返しの物語です。
主人公が何度も同じ目に遭いながら、ひたすら立ち上がっていく話です。
わずかでも前に進もうとする、意思の話です。
曖昧な孤独に耐え他者に触れるのが怖くても一緒にいたいと思う、覚悟の話です。
同じ物語からまた違うカタチへ変化していく4つの作品を、楽しんでいただければ幸いです。

最後に、我々の仕事はサービス業でもあります。
当然ながら、エヴァンゲリオンを知らない人たちが触れやすいよう、劇場用映画として面白さを凝縮し、世界観を再構築し、誰もが楽しめるエンターテイメント映像を目指します。

2007年初秋を、御期待下さい。

原作/総監督 庵野秀明
2006 09/28 晴れの日に、鎌倉にて

引用:ヱヴァンゲリヲン新劇場版所信表明
 

これを読むと新劇場版のテーマ、庵野監督が伝えたいことが分かります。
 

②「よい子のれきしアニメ おおきなカブ(株)」

 

株式会社カラー創業10周年記念作品。
2016年11月に開催した『10周年記念展』及び『10周年記念冊子』のために安野モヨコが描き下ろした漫画をアニメーション化。
同展覧会場にて上映。

引用:同YouTube概要欄より

観ると株式会社カラーのなりたちが分かります。
特にシンエヴァでよく使われる「縁」ということについても描かれていると思います。
 

私は10周年記念展を見に行き、そのことをブログに書いています。
【画像あり】株式会社カラー10周年記念展に行ってみた。その1「エントランス~エヴァ序・破」
 

③監督不行届

同じく安野モヨコさんが庵野監督を題材にして描いた漫画。
謎に満ちた(?)監督のプライベートな部分が分かったり、巻末には庵野監督のインタビューがあり、安野モヨコさんと結婚したことで受けた影響が分かります。

また、新劇場版の謎に満ちたあのキャラの正体も分かると思います。

 

④新世紀エヴァンゲリオン (角川コミックス・エース)

 

 

エヴァのコミックスはキャラクターデザインの貞本義行さんの心情がシンジに大きく表れているのがアニメ版と異なっています。

その違いを楽しむのも面白いですし、単行本第1巻巻末には庵野監督のテレビ版エヴァの所信表明が載っています。
これはエヴァを楽しむために是非読んでおきたいところです。


 

そしてネタバレになりますが、コミック版のラストは旧劇場版のラストと違うので一見の価値があります。

また、「夏色のエデン」という番外編があり、マリの正体が垣間見えたり、大学時代のユイの性格が分かる作品です。

これらを知っておくとシンエヴァ、新劇場版をもっと楽しめると思います。

当ブログにも記事として書いています。
後編【ネタバレあり】漫画「新世紀エヴァンゲリオン」全巻感想。マリの秘密、エヴァ本来のテーマとは

 

⑤主題歌「One Last Kiss」

この限定版は24センチ×24センチの大きいシンジのイラストのジャケットです。

収録内容は以下になります。

1: One Last Kiss (映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』テーマソング)
2: Beautiful World (Da Capo Version) (映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』テーマソング)
3: Beautiful World -2021 Remastered- (映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』テーマソング)
4: Beautiful World (PLANiTb Acoustica Mix) -2021 Remastered- (映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』テーマソング)
5: 桜流し -2021 Remastered- (映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』テーマソング)
6: Fly Me To The Moon (In Other Words) (2007 MIX) -2021 Remastered- (映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』予告編挿入歌)
7: One Last Kiss (Instrumental)
8: Beautiful World (Da Capo Version) (Instrumental)

引用:Amazon商品説明より

1曲目の「One Last Kiss」と2曲目の「Beautiful World (Da Capo Version)」はシンエヴァ劇場エンドロールそのままで、トラックの繋ぎもシームレスなので、劇場さながらの余韻を味わえます。

新劇場版の主題歌の制作秘話はなるほどです。
これまでは大まかなプロットを聞き、シンエヴァは台本から読んでいたんですねぇ。
 

 

⑥Shiro SAGISU Music from“SHIN EVANGELION”

シンエヴァのサントラ。
庵野作品の劇伴はお馴染み鷺巣詩郎さん。

エヴァQからはタイトル名が「Shiro SAGISU Music from」と付くようになり、劇中未収録曲も収録されています。

ライナーノーツは1曲ごとに鷺巣さんのコメントや制作秘話があって面白いです。
真面目に書いてたり、冗談ぽく「www」と草を生やした文体などの制作秘話が面白いですね。

エヴァは庵野監督と鷺巣さんが直でやり取りしてるのも通常の現場とは変わった感じがありますね。
シン・ゴジラ同様、カバー曲の制作秘話で、庵野監督からは「オリジナルに忠実と鷺巣さんの好きなように作ってほしい」と言われて両方作るが、結局オリジナルに忠実な方が採用されるwというくだりも面白いです。

個人的な私の曲の好みは「激突!轟天対大魔艦」「VOYAGER~日付のない墓標」。
…って、鷺巣さんオリジナル曲じゃなくてカバー曲になりますが😅
まあ、鷺巣さんもライナーノーツでシンエヴァはこの2つ以外は内向きな曲と仰っていますが…w
シンエヴァは本編同様、物語後半になると旧エヴァの曲や映像が使われていくのが特徴的です。

ちなみに昔、旧劇場版(Air/まごころを、君に)公開前にエヴァンゲリオン交響楽、数年前にゴジエヴァ交響楽をやりましたが、エヴァンゲリオン交響楽をまたやってほしいですねw
でも今はコロナがあるから開催も厳しそうだし、私は東京から新潟に引っ越したので今は行けませんね…💦
コロナが収まって開催したらもちろん東京に聴きに行きます…!
 

 

⑦新世紀エヴァンゲリオン Blu-ray BOX STANDARD EDITION

テレビ版、旧劇場版、その他特典映像などが付いています。
(詳細は公式サイトやAmazonリンク先参照)

テレビ版はオンエア版、ビデオフォーマット版両方収録。

ビデオフォーマット版とはセル・レンタルビデオ用に新規映像が入ってアレンジされているもので例えばこんなシーンです。

22話でアスカの心情のシーンやロンギヌスの槍で止めを刺すときの形状が黒き月。
23話でレイが自爆するときの演出、24話でカヲルとゼールの会話などなど。
 

旧劇場版では、シト新生、THE END OF EVANGELION、DEATH(TRUE)2全てが入った完全版。

それに見直すと色々と発見があったり、時代の流れも感じて面白いですね。
庵野監督出身の宇部市がちゃっかり出てきてましたし、カヲルのモデルと言われる幾原監督もテレビ版に名前がw
 

映像特典も色々入っていますが、中でも面白かったのが、「まごころを、君に」実写パート撮影現場場景。

監督のその服、一体どこで売ってたんだw(昔の映像全般そうだけどw)

林原めぐみさん、宮村優子さんのOL姿、実写シーンも見ることができます。

そして庵野監督が「ラッシュ(実写映像)見ると(もっと)カットがほしくなっちゃう。アニメは決め込んで絵コンテから設計図作るので完成予想図が見えている。「さてこれからどうする」と見たとき、あっちにもこっちにもラッシュ(実写映像)があると(良い)」と言っています。

この間のNHKプロフェッショナルでも絵コンテの作り方について同じことを言っていましたよね。
自分で考えている以上の以外、外の世界や意外性を取り入れたく、そういった映像作品への作り方は昔からだったことが分かります。
 

 

⑧エヴァンゲリオンと鉄道

シンエヴァ公開前に発売された「旅と鉄道」の増刊。
庵野監督の鉄道好きっぷりインタビューやシンエヴァポスターでも使われた宇部駅のこと、本編やコラボで使用された鉄道について書かれています。

 

⑨⑩庵野秀明 スキゾ・エヴァンゲリオン・庵野秀明 パラノ・エヴァンゲリオン

 

 

シンエヴァでプレミアがついているのか、本がプレミア化して値上がりしてますね。
私はKindle版で買いました。

めっちゃ面白く、巷にエヴァの考察記事(私も書いてましたが)や考察YouTubeチャンネルも多いですが、エヴァンゲリオンという作品や監督・庵野秀明を知る一番の公式本だと思いました。
だって、本人や側にいるスタッフ自ら言ってますからw

24年前の本ですが、充分今でも通じるところがあります。
NHKプロフェッショナルでも庵野監督は昔から変わらない、万年青年、大人になり損ねたと言われてますしw

なお、今と比べて、昔の庵野監督は饒舌に喋っているのも面白いです。
新劇場版辺りからメディアを意識したり年を経ったのか、あまり喋らなくなったように思いますね。
 

ただしこの書籍は「エヴァのキャラやメカ、物語や設定だけが好きな人」には楽しみづらいかもしれません。
「クリエイター庵野秀明はどういう考えでどう作りたかったのか」、という作り手側の視点から楽しみたい人にはうってつけです。
 

本の内容を読んで感じたのは

・”物語自体の考察”には意味がない
宮崎駿監督同様、基本的に見せたい絵やビジュアルインパクトのある絵から作る人。なので、設定や脚本は後付け。
作りながら考えている。なので、そこまで物語の後のことは考えてない。
身も蓋もない言い方すると、伏線回収といっても実際は後になって辻褄を合わせているところも多そう。
(これはもちろん褒め言葉で、結果それが面白くてヒットしているのが凄いところ)
→考察する人は監督が考えている以上に考察してしまっている、と言っている。

何故テレビ版25、26話があのようになったか、制作意図や監督や現場の様子

よく感想で「シンエヴァは監督の私小説」とよく言われてるが、そもそもこの書籍で「エヴァは庵野監督のオナニーショウ」と自分で言っている
→だから旧劇場版冒頭でのあのシーンはメタ的になるほど納得。

・エヴァを作る上で影響を受けた作品、映画やアニメももちろんだが書籍もたくさん。
村上龍さんの本、哲学、精神心理学、脳科学の書籍を読んだりしていた

・真面目な話から女性の好みや下ネタまで公開されているw
→女性に母親を求めるらしい。だから安野モヨコさんとの結婚はなるほどです。
ちなみに誰得な女性の胸の大きさの好みまで語ってますw

・エヴァ以外でも子供、学生時、宮崎駿監督のこと、ガイナックス時や他の作品、ウルトラマンやヤマト、仮面ライダー、ガンダム、ナディアのことなども語られています。

綾波レイ誕生の秘密。
→当時はおとなしい、包帯少女、青いシャギーの髪、赤の目といった衝撃的なキャラデザインで新しくて大人気でした。
貞本義行さんがデザインしましたが、本の影響を受けてビジュアルから作り始めたと言っています。
なので、エヴァの話の設定(使徒の目は赤いとか)や物語としては後付けになるんですよねw

ちなみにプロフェッショナルの番組で庵野監督が語った父やご自身の自殺の話がありましたがこの書籍で既に書かれていたりします。
自殺の件は深刻に思いますが、実際の周りの方の印象は…😅
その辺りはまずはご自身で是非読んでみてください。
 

⑪プロフェッショナル 仕事の流儀」庵野秀明スペシャル

最後は見た人が多いと思うこの番組。
ご本人が出演して語れるところは語っています。
(やはりメディアを意識してか「ない」「言えない」「秘密」「内緒」発言はありましたがw)

見た人も多いと思うのであまり語る必要がないと思いますが…w

ただ、庵野監督も作り手やメディアを意識して、NHKにこうしてほしいと要望も出したのではと思いますねw
冒頭の宇部駅のシーンは特にw

また、林原めぐみさんのアフレコで、受け答えがそのまま綾波レイ(仮称)のまま「うん」と言っているのはまさにイタコ声優でプロを感じましたねw

見逃した方はU-NEXTから見られるようです。
 

総評・まとめ

いかがでしたでしょうか。
今までの記事の中でも紹介したモノなどもありましたが、おさらい、まとめとして11点として挙げてみました。

何かエヴァなどで何か気付いたらまた記事にしていこうと思います。
当ブログでエヴァの色んなことを書いているので是非ご覧ください。

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