新サクラ大戦、クリアしての感想・レビュー。残念ながらコレジャナイ作品の1つでした【ネタバレあり】

2024年1月19日

新サクラ大戦、クリアしての感想です。
ネタバレありなのでご注意ください。

私の個人的な感想で辛辣なことを書いているので、好きな人からすると気分を害するかもしれませんので読まないことをお勧めします。
 

ライブ配信でプレイした動画(1話前半)

 

4話までライブ配信でアップしています。
 

内容は残念ながら…

さくらルートでクリアしました。

結論から言うと、体験版をプレイしての感想通り、残念ながら厳しい内容でした。
 

—————————————–

プレイしてみて序盤の1、2話の段階であまりにも苦痛でやめようとも思いましたが、ここまで来たらいっそクリアしてから記事にしようと思い、頑張ってクリアしたみたのです。
 

そもそも体験版をプレイして「このゲーム大丈夫かなぁ…?」と思っていたわけですが、ゲームや映画などの作品は結局「自分で体験してみないと分からない」ので、いわば凸撃してみたのです。
 

ちなみに私は「サクラ大戦シリーズ」が好きというより、特にセガサターンの頃のセガのゲームが大好きです。
1~4までプレイしていますが、サクラ大戦自体については事細かく詳しいわけではないので予めご了承を。

なお、サクラ大戦は今ではごく当たり前になっていますが、ゲームとアニメなどを融合したメディアミックス作品の先駆け的な作品でした。
特にアニメーションや声優、歌が個性的で、アニメをゲームでプレイする、といった作風でした。
 

前置きが長くなりましたが、それでは個々に感想を書いていきます。
 

ストーリー

物語の整合性

整合性の無さや「それどうなの?」と感じる場面を多々ありました。

1話冒頭、帝国華撃団の秘書カオルは主人公の機体がまだ無い状態で、完成するのは「そのうち用意する」と言うのです。
1話後半で主人公の機体はすぐに出てくるのですが、同じ組織の隊長にそんな大事なことを「そのうち」なんていう発言はあり得ないでしょう。

また、1話後半にて上海華撃団が目の前の共通の敵を倒すことより、仲間割れで帝国華撃団を倒すことを優先するのに違和感がありました。
平和よりも私怨を優先する華撃団員は失格でしょう。

その他にも、今回は落ちこぼれの華撃団を立て直していく話なわけですが、かつてのトップスタァがいる神崎すみれがいる状態なのに、まともな歌劇も出来ない状態を放置しているのがありえないというのもあります。

要は目の前の演出を盛り上げるために、細かい部分が雑になっていて物語に整合性を感じないのでした。
 

夜叉=真宮寺さくらではなかった


 

発売前からゲーム後半まで夜叉=真宮寺さくらと思わせておいて、結局似てるだけの関係ないキャラの扱いには個人的には非常にガッカリでした。
あれだけプロモーションや本編、OPラストの演出など引っ張っておいて…です。

まあ、おそらくこの辺りは、過去記事インタビューからも察するに、真宮寺さくら役の横山智佐さんが開発中に脚本を読んで「これは真宮寺さくらではない」と言ってシナリオにもアドバイスしたことから、当初のシナリオから二転三転、結局「夜叉を真宮寺さくらにするのはやめましょう」という判断に至ったものだと邪推してしまいます(この辺りは体験版感想記事を読むと分かります)。
 

世界観、雰囲気が攻撃的、暴力的

1話後半で仲間割れのように上海華撃団が帝国華撃団を攻撃してくると書きました。
そのシーンでは帝国華撃団を過剰に弱小扱いし、やたらリンチのような攻撃性や、中盤でさくらと初穂のグーパンでの殴り合いの喧嘩もありますが、令和のこの時代に昭和の少年漫画じゃないですし、まして「乙女」としてのサクラ大戦なのに違和感がありました。

華撃団大戦という華撃団同士で戦わせる設定も攻撃的な世界観に感じた部分の一つです。

もちろんシナリオライターが変わりましたし、「新サクラ大戦」なのでこういった新しいやり方もあると理解できますし、新しいことに挑戦するのは大事だと思いますが、旧シリーズをプレイしていた身として気になる部分でした。
 

スポ根・努力・根性・精神論

天宮さくらの性格が顕著ですが、やたら昭和の努力・根性・精神論のノリが強調されていて、今のこのブラック企業問題もある令和の時代の中で違和感も感じました。
先程の女の子同士がグーで殴り合うのも同様です。

…ま、まあ、舞台は太正で昔だからおかしくはないのか…😅
 

旧キャラの扱い

旧作のキャラの扱いも二都作戦の犠牲で封印させられたままと言う、結局投げっぱなしで終わりました。
おそらく続編で話を引っ張る、伏線を回収する予定だったんでしょうか…?
でも「”新”サクラ大戦」なのにまだ旧キャラで引っ張るのか…と思いますけど…。

サクラ大戦シリーズはキャラが大好きというファンもいるわけですが、新キャラを上げるために旧キャラを下げるような扱いになっており、本当にキャラが好きなファンの人の気持ちを思うと心中お察します…と思ってしまいます。
 

キャラクターデザイン


出典:https://sakura-taisen.com/

ゲーム発表から久保帯人先生のキャラクターデザインは賛否両論ありましたが、結局プレイしてみるとサクラ大戦に合っていないと感じました。

インタビュー記事によると、最初久保先生にオファーしたけど最初は断られたそうです。
(ちなみに横山智佐さんも最初は同じようにことわっていたそうです。)
理由は「サクラ大戦を知らないのでファンを納得させられない」と言うことと、ご本人の体調的な部分からのようです。

しかし開発側は「知らないから新しいものができる」と説得して結局起用することになったそうです。

この「知らないから新しいものができる」発言は色々な作品を見ていると地雷でして、最近ではファンから酷評された映画のドラゴンクエスト・ユア・ストーリーの監督の発言と同様なのです。
 

また、久保先生を起用した理由に「さくらと言えば刀、刀といえばブリーチ」と言う理由で久保先生にオファーしたらしいですが、その理屈もよく分からないし合っていないし、そもそもサクラ大戦は女の子キャラに魅力で重要なわけで、まずは可愛い女の子を描ける方にオファーするべきだったのではないか、と感じました。

久保先生の作風はバトル漫画ですし、画風含め、サクラ大戦のイメージと合っていないように感じてしまうのです。
 


出典:https://sakura-taisen.com/

また、沢山の有名イラストレーターの人も参加されていますが、これも体験版感想記事に書いたようにやはり作品の世界観が統一されていないので違和感がありました。

単にこれは作品としての世界観よりも、話題性や各イラストレーターのファンを釣るために起用したように思えてならないのです。
今の時代、売るため、話題作りのために起用すること自体はありだと思いますが、そこはもうちょっとバランス良く作品に落とし込んでもらいたかったところです。

これらについてはもちろん久保先生や各イラストレーターの方々の問題ではなく、オファーした開発側の責任だと思っています。
 

キャラクターのCGモデリング

好みもあると思いますが、キャラデザ同様、ウリである女の子がサクラ大戦らしく可愛く感じられませんでした。

私はサクラ大戦の一番の魅力はどこかというと女性キャラだと思っています。
(世界観としては「太正浪漫×スチームパンク(メカ)+歌劇」だと思いますが。)

新サクラ大戦はフル3DCGです。
なので、普通に考えれば、一人あたりのポリゴンやモデリングなどによる作り込みやクオリティも下がってしまいます。
それもあって、キャラクターのモデリングが可愛く感じられないのが残念です。

私はフルポリゴンにするくらいなら、背景CGの工数や表現能力を落とし、1キャラクターのモデリングやデザインにリソースを取ったほうが良かったように思います。
 

 

同時にキャラクターの描き方はトゥーンレンダリングのほうが良かったように思います。
最近だとファイアーエムブレムなどにも使われている、作りは3DCGだけど見た目はアニメ絵に見せる技術のことです。

開発側のインタビューでは「人とメカ・建物と並べると違和感があるので、キャラの描き方を今のようにした」と言っていましたが、そもそもサクラ大戦の魅力は女性キャラクターであり、元々がアニメ絵・アニメーションがウリなゲームなので、まずそこをベースに作っていくべきだったと思います。
 

加え、ゲーム随所に2Dイラストの挿絵(一枚絵)や2Dアニメーションも出てくる場面があるのですが、本編が3Dのため、結局どれを一番見せたいのか、グラフィックの統一性も感じられませんでした。
2Dイラストや2Dアニメーションを入れるなら、整合性や統一性のために、やはりCGもトゥーンレンダリングを起用するべきじゃなかったんでしょうか。
 

プレイ中、好感度が高まった演出でキャラが可愛く見える場面もありましたが、だからこそモデリングにこだわってもらえたらもっと良かったんだろうなぁともったいなく感じました。
 

モーション

ゲーム全体が3D描写になったことで、会話シーンではキャラの動きに間が持たないのか、不自然なわざとらしい大袈裟なモーションがついているのが気になりました。
例えば「指を差すしぐさ」、カオルの「メガネを上げるしぐさ」などなどです。

更にそれらモーションは複数キャラの使い回しのようですし、モーションそのものがPS1、PS2時代にあった不自然な動きのCG人形劇を思い出しましたし、場面によってモデリング生成時の棒立ちの直立不動の手を伸ばした状態もあって気になりました。
 

カメラアングル

モーションに通じますが、会話やイベント中、無意味なカメラアングルの移動も気になりました。

やはり会話やモーションだけで間が持たないのか、不自然にカメラ視点をグルグル回したりズームイン・アウトなどするのが気になりました
 

ボイス

フルボイスではなく、場面によってボイスが無い場所が多いです。

まあ、私はそれ自体に問題はないのですが、声が無い場面でもフルボイス時と同様にキャラが動いているのが違和感がありました。
 

演出

ゲームの世界観や物語、状況説明がキャラのセリフによる説明口調ばかりで疲れました。

場面によって2Dイラストや2Dアニメーションが入ると書きましたが、そのように文章による説明ではなく、そうした絵で説明する描写を多くしてほしかったですね。

せっかくの3DCGだし、アニメーションやキャラもウリにしているゲームだからこそ、文章の説明ばかりに頼らず、絵で直感的にプレイヤーに説明する描写がもっと欲しかったところです。

この辺りはコストの問題なんでしょうけど、限られた制約があるからこそ、作品の核を大事にしつつ、どこにコストをかけ、どこを省くか、が必要だと感じました。

今は3Dゲームがスタンダードになっているからと、ただそのまま作っただけに感じてしまいました。

FF7Rのような超大作みたいにコストと期間を十分にかけ、納得のいくクオリティで出してもらえればそれはそれで良いんですが、そういうわけもいかないですからねぇ…。
 

ちなみに物語の歌劇は、桃太郎とアナスタシアは2Dアニメーションでしたが、クリスマスイベントは3DCGだったので、そこも整合性を感じませんでした。

2Dアニメーションも場面によって制作会社が違うのか、作画クオリティやキャラの顔が違っているのも気になりました。
ある場面では久保先生のブリーチのような絵柄に近づけていますが、違う箇所では本編CGのような久保先生のテイストとは薄れた作画になっていてバラつきを感じました。

この件もおそらく外注のアニメ制作会社の問題ではなく、ディレクション・監修する大元の開発側の問題のような気がしています。
 

歌劇の少なさ

昔のサクラ大戦シリーズをプレイしていたときは、歌劇の場面が強く印象に受けましたが、今回は回数自体も少なく、印象にほとんど残りませんでした。
 

キャラクター

主人公の神山がしゃべり過ぎ、出しゃばりすぎに感じました。
プレイヤー=主人公となるゲームの中では、これまでのサクラ大戦シリーズの大神一郎やドラクエなどでは出しゃばらないようにしてほしいですね…。
 

建物やメカデザイン・グラフィック

メカデザインは明貴美加さんで素晴らしいですね。

単体で見ればCGの金属・メタリック系の光源処理や質感も良かったです。

でも個人的には2Dイラストやアニメーション、メカの表現含め、全体をトゥーンレンダリングにしたほうがサクラ大戦の世界観や統一性があったのではと感じました。
 

建物の3D表現

せっかく部屋の中や売店などに旧作のポスターなど飾ってあるので、ズームインでよく見られるようにしてほしかったですね。
3DCGの意味もありません。
 

テンポ

建物が3D化し、帝国劇場内を歩き回ることができます。

しかしこれが一番プレイしていて苦痛でした。

ゲームの進行やイベント発生のために、毎回別の場所へ歩いて移動しなければならなく、私はただの作業、時間と労力の無駄にしか感じられませんでした。
せめてファストトラベルのように一瞬で場所に移動できる手段が欲しかったですね。

結局この点についても、サクラ大戦の魅力は女性キャラであり、そのキャラとコミュニケーションを取ることだと思うので、そこにもっと注力すべきで、建物を3Dにして無駄に移動させる必要や意味を感じられなかったです。

要は従来のサクラ大戦やアドベンチャーゲームのようにマップなどが表示され、一瞬で目的のキャラの場所に行けるほうが良かったように思います。
この辺り、従来のシリーズはちゃんとそこを分かっていて作っていたんでしょうね…。

先程も書きましたが、この辺りは単に今風のゲームにしたいためにフルポリゴンにしたように感じてしまいます。
予算や納期を莫大にかけられる超大作ならば、フルポリゴンで全てを高クオリティにすることも求められますが、今作は中途半端にそれを目指してしまったが故にチグハグなゲーム構成に見えてしまうのでした。

作品の核となる魅力が何処かを把握し、限られたコストやリソースで取捨選択、何処に注力するかが重要ではないかと感じさせられます。
 

アニメ構成

アニメのように次回予告とアイキャッチが入りますが、残念ながら取ってつけただけのように感じられました。

冒頭サクラ大戦はメディアミックスの先駆けと書いたように、ゲームでアニメスタイルを表現した作品です。

アニメと言えば、基本30分番組で、アバンやAパート、Bパートなどがあり、合間にアイキャッチが入るのがお約束です。

しかし今作では1話が3~4時間くらいかかってアイキャッチも何度も入り、一体いつになったらA、Bパートかと言う「物語の進行度」が分からないのです。
それによって「今日はここまで話が進んだらプレイをやめよう」というようなやめどきが分からず、一体いつまでプレイすればこの話は終わるんだろう…?とプレイさせられて疲れたわけです。

まあ、プレイしていくと大概Bパート後半にバトルがあると分かってくるのですが、そこに至るまでもやたら展開が長かったり、話によってはアドベンチャーパートもすぐに終わってしまうこともあり、1話辺りのボリューム感が予想できず、これもプレイしている要因になりました。

新サクラ大戦では全8話ですが、要は1話辺りのボリュームを30分や1時間番組のような構成にし、その分話数を多くして、アニメの文法に則った作りにした方が良かったと思います。

ついでにゲーム本編が3DCGで進むため、この次回予告のアニメ演出も違和感がありました。
結局これについてもゲーム全てのCGをトゥーンレンダリングにしたほうが、次回予告などのアニメ演出とも噛み合うと思うのです。
 

また、旧サクラ大戦シリーズのプレイヤーは社会人が多いでしょうし、今の社会は様々なコンテンツもあり忙しい時代なので、先程のように1話あたりを短く細切れにしたほうがプレイしやすかったんじゃないかと思います。

1つの話でボリュームを詰め込んでいるため、ゲーム1話でも上海華撃団が仲間割れで攻撃してきたと思いきや、その1話最後で和解と言うのもどうも釈然としなく、キャラクターの感情の移り変わりなど含め、引きと溜めを感じられないのでした。

開発は各話のラストに盛り上がるバトルを持ってきたかったのでしょうけど(そりゃ当たり前ですが)、そもそも脚本やゲーム構成自体がどうなのかなと気になってしまいます。
 

アドベンチャーパート

先程建物を歩くのが苦痛と書きましたが、それによって特にアドベンチャーパートがテンポも悪く、ただのお使い作業に感じてしまいました。
テレビゲームは「お使いを面白くさせることが大事」なのに、このゲームは「ただの作業をこなす」だけでした。
 

バトルパート

今作ではアクションに変わりました。
しかしアクションにした存在意義をあまり感じられませんでした。

そもそもこれまでのサクラ大戦のシミュレーションバトルは、実際はシミュレーション自体にそれほどの意味はなく、それよりも仲間達とコミュニケーションを取ったりすることに一番の意味があったように思います。
(アニメ層の取り込みもあったので、アクションゲームが苦手向けな人の配慮もあったのでしょう。)

今作のアクションでは仲間と一緒に戦えるのが2人、多くても3人までとなっていて、仲間とのコミュニケーション要素が無くなってしまっているんですよね。
 

さて、それはまだ良いとしても、アクション自体にさほど戦略性もなく、ただひたすら多く沸いてくる敵を倒す作業となっています。

サクラ大戦は女性プレイヤーも多いので、アクションをあまり難しくできないのもあったんでしょうけど、それでもアクションパートには練り込み不足を感じられました。

例えば、
・ロックオンが無く、特に空中の敵に攻撃を当てづらくストレス。
・視点変更が煩わしく、それならば自機の真後ろ固定でも良かったのではないかと思います。
・華撃団同士の対決では敵と仲間の区別がつきにくく、敵の名前表示の文字も小さく分かりづらい。
・敵の技など炎や光のエフェクトで画面が見づらいときもあった。
・建物内で暗い場所が多くあり、何処に進んで良いか分からないので、進行方向を明示して良かったのでは。
・背景、敵の使い回しが多い。
・ジャストステップが強いのもあるが、「ジャスト」というより「ただの連射」で良い場合があったりする。
・壁走りがただダッシュで突っ込むだけで特に操作の意味もなく、サクラ大戦3のOPのような楽しさがあると思っただけにがっかり。
・無意味に落とし穴など落とさせてやり直しをさせる場面が多かった。
・仲間との合体技が単に能力アップで面白味に欠ける。
 

音楽

主題歌はやはり素晴らしいですね。
素晴らしすぎて聴いていると別の意味で泣けてくるほどです…。

本編のBGMはちょっとガッカリです。
これは田中公平さんの作曲の問題ではなく、もはや言わずもがな、それを依頼・監修するディレクションする開発が良くなかったように思います。

例えばコミカルな場面でもバトル系のシリアス曲での使い回しや、映画的で仰々しくサクラ大戦の世界観と合っていない部分、特定キャラと毎回話をする度にそのテーマ曲が強引に流れる、などです。
 

UI

キャラやビジュアルを見せたく、喋るので優先順位から小さくしたと思われますが、それでも会話の文字が小さく見づらいですね。

また、スマァトロンでの地図の現在位置の矢印が分かりづらく、もっと目立たせたほうが良かったように思いますし、マップのキャラアイコンが小さくて誰かよく分かりづらかったです。
 

読み込み

建物で部屋に入るたびに読み込みがあり、先程のように建物内を探索するだけでストレスなのに読み込みによって余計ストレスに感じました。
 

LIPS

以前のサクラ大戦がどうだったか覚えていませんが、意図した選択を選んでもひっかけで神山が真逆の応対することがあったのが気になりました。

先程も書いたように、プレイヤー=主人公であり、かつてのサクラ大戦の大神の例もあり、主人公キャラは出しゃばらない方が作品として合っていてプレイヤーも感情移入しやすいと感じました。

また、制限時間LIPSはただの総当たりの物探しや、ミニイベントでのただの暗記(神龍軒のホールの手伝いで客のメニューを覚える)などで面白さを感じられず、むしろ面倒と思ってしまいました。
 

良かったところ(フォローあり)

沢山多く残念なところを挙げてきましたが、もちろん良かった部分もあります。

ラストの盛り上がりは良く、ご都合主義含めてサクラ大戦らしさを感じました。

キャラクターでは初穂が良い味を出していて、特に7話で神滅に仲間キャラがやられていく場面での立ち振る舞いが良かったです。

先程は良くないと言った「攻撃的とも書いた華撃団大戦」も、まあ今の時流含めての発想としてはアリかなと思いました。
 

総評・まとめ

名前はサクラ大戦ですが、サクラ大戦の器を使用した中身は魂や愛が籠っていない作品に感じました。

これは「新」と付ければなんでも許されるというわけではないと思います。

サクラ大戦シリーズだけに限らず、世の中のどの作品にも言えますが、いくら新しさを目指してもその作品の核となる魅力は失ってはいけないと思うのです。
核となる部分までも変わってしまえば、別にその作品である必要性がありません。

(…とは言え、開発的に起用するクリエイターの方を変更しなきゃいけない事情だったり、いかにその中でやっていくかが大変だったと察しますが…。)
 

キャラデザに久保先生の起用や、アクションバトルに変更などメーカー的にギャルゲーイメージ脱却を目指したのもかもしれませんが、結果として作品の魅力が薄れ、全体的に中途半端のクオリティに感じました。

開発陣のコメントも読むと新規取り込みを目指していたらしいですが、それならば過去キャラ投入(特に真宮寺さくらをチラつかせる)や本編で過去キャラのブロマイド入手、過去作品の限定版も必要ないのではと思うのです。

どうも全体的にブレている、チグハグな印象を受けてしまうのでした。

それら原因は、せっかく起用しているクリエイターの方々や外注会社さんは有能なのに、肝心の指揮するディレクターや統括、監修する側の責任だと感じます。

料理に例えるのは忍びないですが、どんなに一流のシェフたちや高級食材を使っても、肝心の経営者がそれらを良き方向、ゴールに導くよう指示を出したり統括しないといけないと思います。
その辺りについては、インタビュー記事の横山智佐さんや久保先生へのオファー経緯・やり取りを見ると、やはり原因はそこなのかなと感じてしまうわけです。

実際の開発も途中から名越さんも入ったらしく、更に二転三転、難航したと察しますが…。
 

余談ですが、ゲームプレイ中は苦痛だったんですが、配信動画では配信動画故に面白く喋ろうという部分や、サクラ大戦好きの方がコメントくださって救われた部分がありました。

そのサクラ大戦好きの方の意見では「新作が出るだけで許せる」と言っていましたが、私としては「残念ながらこんな姿見とうなかった」という気持ちがありますね…。

近年、過去人気作品を今だからこそのリメイク、続編が出るケースがありますが、コレジャナイという作品も多いだけに残念です。

この辺りも体験版感想記事に書いたように「昔と今では時代も変わり、昔からのIPモノも当時の制作者が関わっていないケースも多い」ので仕方ありません。

メーカーなので売ることが一番大事なのも分かりますが、その「売るために」「IPを復活させるためにどうすれば良いか」、その作品の魅力、核を大事にしてほしいと思います。

なお、初週の売上(出荷)が14万本とのことで、それが多いか少ないかはメーカーじゃないと分かりませんが、この数字は「サクラ大戦の新作だから期待して買った人たち」ということを忘れないでほしいです。

話題作りやプロモーションでメーカー的に利益が出たとしても、肝心の中身の評価が悪かったら次は売れないでしょうから…。
 

色々辛辣、手厳しく書いてしまいましたが、それは私はセガ、特にセガサターンの頃のゲームが大好きだった愛ゆえに、だと思ってください。
私も過去に大好きだったゲームの新作やリメイクをプレイしたけども、「コレジャナイ」ゲームになってしまって、もはや諦めて記事や話題にすらしないものもあったりします。
要は「好きの反対は嫌いではなく無関心」ですね。

もし開発や関係者の方がこの記事を見ていただいたら、ただの文句ではなく愛情の裏返しと思っていただけたら幸いです。
 

私は自社ハードを出していた頃のセガが大好きでした。

テレビのしくじり先生でメガドライブ回があり、今度ドリームキャスト回もするようですし、「セガなんてダッセーよな」「セガは倒れたままなのか」なんて、そんな自虐ネタすら言えない状況にはなってほしくないと思います。