【ネタバレ】映画「ブレードランナー2049」感想。偉大過ぎる前作の続編としては良作で面白かった

2019年4月13日

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出典:http://www.bladerunner2049.jp/
 

遅ればせながらブレードランナー2049を観ての感想です。
「GODZILLA 怪獣惑星」より先に観ていたんですが遅くなっちゃいました。

自分はリアルタイム世代じゃないですけど、前作ブレードランナーは好きでレンタルして何回か観ていました。
 

そうそう、一応ネタバレ前に

これはネタバレ記事ですが、もし前作を観ないで初めてこのブレードランナー2049を見ようとしている人がいたら、必ず前作を観ておいてくださいw
じゃないと、理解もできず、チンプンカンプンで退屈な2時間半になりますよw

また、よくあるハリウッドのアクション、SF作品のような、大ボスを倒して一件落着の大団円、バンザーイ!といった作風ではないので、そういった作品が好きな人は注意ですw
 

前作はAmazonビデオにもあるようですね。

 

で、感想。面白かったです。

まず懸念していた、よくありがちな前作は傑作だけど、後になって続編を作ったら黒歴史になるパターンがあったりしますが、今作は良くできていて面白かったです。

では個々に見ていきたいと思います。
 

●作品テーマ

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前作の主人公は普通に”人間として”描かれていましたが、今作は自分をレプリカントと認識している主人公。
その違いが面白かったですね。
そして作品に共通しているテーマ、自我や記憶、人間とは何かというテーマをちゃんと踏襲していたと思いました。
 

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また、主人公の恋人のAIのジョイ。
これは今の現代からも通じる要素ですね。

今ではゲームやアニメで”嫁は二次元とかモニターの中”と言った表現もあったり、実際にリアルの恋人のように誕生日にお祝いしている人もいたりします。
それを気持ち悪いという人もいるかもしれませんが、今作を観るとその境界線は更に曖昧になっていくように思いました。

映画ではリアリティがあって普通にジョイの存在を観ていたけど、現実世界でアニメなどのキャラに対して気持ち悪いと言う人もいるかもしれませんが、結局は造りモノとしては同じ、やっていることも同じなんですよね。
今後、VR技術も向上してジョイのような存在が現実になりそうです。

また、作中では動物と同じように子を産むことができるレプリカントがいたということで、ますますその違いは曖昧です。

ちなみにジョイが可愛かったですね。
 

●美術・色彩設計

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これも良かったです。

たまたま鑑賞前にテレビの番宣で、全作が黒の色彩だったので、今作は白にしたと言っていたのを見ました。

実際見てみると、雪や霧での白の色彩や、前作の黒、そして黄金色(オレンジ)基調もあったりと面白かったです。

ブレードランナーは前作含めて映像美、色彩も楽しむ映画だなぁとつくづく感じました。
洋画でSFの世界観なのに、日本語や韓国語といったアジア言語の看板やファッション、独特・奇抜な造形などがブレードランナーらしくて良かったです。
 

●前作のオマージュやファンサービス

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デッカードはもちろんとして、レイチェルやガフの登場、折り紙、2Dの写真などが前作を観た人なら楽しめる要素がありました。
この辺りの機械の描写も古さを感じさせず上手かったですね。
 

また、昔のエルヴィス・プレスリーやマドンナたちが映像で出てきて歌うシーンがありました。
作中でのデッカードの好み、世代もあるんでしょうけど、同じようにリアルタイムで観ていた人への同調意識としてのサービスもあるんでしょうねぇ。
 

●本編と関係ないけど、映画鑑賞のマナー

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出典:https://www.frontage.jp/

劇場に観に行ったとき、すぐ側にマナーの悪い人が側にいて不快な思いをしたんです。
映画に集中して観ることができなくて残念でしたね。

コメディ作品なら許容範囲なんですけど、この作品のように物静かでシリアスなシーンが多い作品では勘弁してほしかったです。

一人は重要なシーンになると喋りだす客。

一人はポップコーンを1時間くらいずっとボリボリ音を立てて食べ続けていた客。
うるさいし臭いもあって集中できなかったです。

ただ、ポップコーンは劇場で販売しているだけに食べても良いということになるんでしょうけどねw
 

まあ、ということもあって、所々集中できなくて作品の意図を理解しきれなかった部分があったのです…。ラストシーンもそうで、集中や興が削がれた部分がありました。
 

●細かいところを幾つか

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出典:https://gigazine.net/

・レイチェル(ニセモノだけど)が出てきて、そしてそれを観たときのデッカードの反応のシーンが良かった。
愛した人に久しく会ったときの感情の喚起の演技や表現などが良く、見応えがありました。

・ミスリードを誘う展開
中盤、主人公Kの夢に出てきた子供は誰か、ひょっとしたら自分ではないか、という誰しもが自分を特別と思いたいというミスリードを誘う展開が良かった。
Kが自分をそのように期待してた部分や、実際そうじゃなかったときの憤慨する感情の様子はもはや人間でしょうと思いましたね。

・ラストのKが死ぬシーンについて
先に言ったようにちょっと集中できて見られなかった部分がありましたが、前作のロイ・バッティ(レプリカントのリーダー)が寿命で死ぬシーンを思い出しました。
同じように自分の命はもう無いのに人間を助けることも一緒ですし。

・ソニーやアタリ社のロゴもありましたね。

・ラストでデッカードが何度も水で溺れそうになっているシーンが笑っちゃいそうでした。

・上映時間が2時間半で、ちょっと長く感じましたが、テンポは悪いとは思いませんでした。
 

総評・まとめ

面白かったです。
点数を付けるなら100点満点中75~80点くらいでしょうか。

ただ、観てからしばらくするとそこまで大きな印象に残っていないんですよね…。

世の中には傑作、名作、良作など色んな作品がありますが、前作ブレードランナーが後世にも伝わる傑作だとすると、2049は良作ですが、数年後には忘れられている作品かもしれません。
前作が偉大過ぎたということや、2049は続編としてよくできているのですが、良作=優等生的な感じで、良くも悪くもクセが少なく、引っかかりがなくところでしょうかね。

引っかかりとは、
例えば
・当時としては斬新だった荒廃したSF世界観・美術設定
→日本でもAKIRAや攻殻機動隊など他のSF作品に影響を与え、今となってはそうした作品も多くなっているので、前作のような衝撃的な映像や世界観という初体験ほどのインパクトはありませんよね…。
…とは言っても、ブレードランナーだからこそのオリジナルのセンスは感じました。
 

・デッカードはレプリカントなのか
→前作は明確な答えが無く、それを示唆する程度だったことが逆に熱狂的なファンを生み出したとも言われているようです。
今作はそうした謎のような部分もなくて完結されていた話だったと思うので、ストーリー的にも引っかかりはなかったですね。

など、新しさやインパクト、ストーリーも丸く収まっていたことで引っかかりの無さを感じたわけです。
 

●とは言え、思い返すと面白かった

前作を観た人ならば観ておきたい作品です。

冒頭に書いたように昨今は続編が黒歴史、原作レイプになるような作品もあったりしますが、今作はちゃんと続編として良くできていると思いました。
 

●ちなみに小島秀夫監督のレビューを読んで

ゲームのメタルギアソリッドなどで有名な小島秀夫監督がブレードランナー2049のレビューをしていたので、鑑賞後に読んでみました。

なるほどという部分や、共感する部分がありました。
先の今作は良作というな部分はまさしくそう同じように感じました。
 

ちなみに自分が昔にブレードランナーを観るきっかけは、その小島監督のゲームのスナッチャーでした。

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出典:https://tatzuro.com/
 

スナッチャーはブレードランナーにインスパイアされているゲームなのですが、スナッチャーを遊んでみて、元であるブレードランナーを観てみたいと思ったんですよね。

こちらもオススメですw

今遊ぶならPSの中古かアーカイブスでしょうかねぇ…。