前編【ネタバレあり】漫画「新世紀エヴァンゲリオン」全巻感想。アニメと異なるラストシーンや改めての気付き

2019年4月14日

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エヴァの漫画単行本は、昔7巻までリアルタイムで読んでいました。

それ以降の巻はこれまで読んでいなかったのですが、最近シン・ゴジラなどの影響で自分の中でエヴァの熱量が再燃していて、且つ、14巻(最終巻)に新劇場版で登場するマリの秘密が描かれているとのことを知りました。それなら新劇場版考察にあたって単行本は全部読んでいたほうが良いと思ったのです。
 

感想

●西暦2015年が舞台

1巻から読み直してみると、さすがにもはや古さを感じるなぁとも感じましたw
1巻の巻頭あらすじには”西暦2015年”と書かれています。うーん、現実世界ではもう過ぎてしまいましたねw

エヴァの放送や連載が始まったのは1995年。なんと!22年も前になりますねw
1995年オギャーと生まれた子が今は22歳ですよw …いやー、そんなに経ったかぁw
 

●貞本さんの絵柄

自分の中で貞本さんの絵柄が”エヴァらしいなぁ”と感じましたw

そういえば旧劇場版のヤシマ作戦終了時のレイの笑顔は漫画が元でした。その笑顔もテレビ、旧劇、新劇と3パターンの顔がありますが、旧劇が一番可愛いですねw


 

●漫画版の展開とその考察・感想

・キャラ設定

貞本さんなりのキャラ像で、アニメと比べて登場人物の性格がちょっと違っています。シンジは斜に構えてひねくれていたり、アスカは二重人格などなど。
ストーリーはアニメと同じようにテレビ版→旧劇場版の展開ですが、場面によって展開や違うキャラが登場したりもしていて、新劇場版の序破の”リビルド”を見ているような感じもありました。
 
 

・アニメでは描かれていない設定

アニメでは描かれていない登場人物の設定の話なども描かれています。
例えば加地は幼少時代に盗みを働いて生活していたなど。

ただ、これは漫画版のオリジナル設定かもしれないので、それが正しいとは思わないほうがいいでしょうねw 上記のようにキャラ像についてと同様に漫画版エヴァは貞本さんなりの解釈で描いているとのことなので。でもストーリーや内容はやっぱり庵野監督も監修していると思いますがw

正解は1つではなく、同じエヴァでも描く作者によって違う顔を見せたり、作品の世界観に幅や広がり、面白さの多様性を表現しているのを素直に受け取るのが良いかもしれませんね。
 
 

・親子の関係が分かりやすい描写

物語ラストは旧劇場版の流れになりますが、アスカも救われたり、シンジ、ゲンドウ、ユイら親子の心情や関係もちゃんと描かれています
 
 

・人類補完後のラストシーン

テレビ版→自己啓発セミナーのような「おめでとう」
旧劇場版→砂浜で「…気持ち悪い

のようなぶっ飛んだ終わり方でなく、分かりやすくキレイに物語が完結します。
 

旧劇ではサードインパクト、人類補完計画でシンジがその世界を拒絶したことによって、海岸のシンジとアスカがアダムとイヴの如く、2人だけの世界で生きていくことになります。
 

そして漫画版です。
ラストではないですが、シンジの幼少時代の回想シーンにて、ユイが幼少シンジに雪を見せてあげたいと言っています。
それはエヴァの世界がセカンドインパクトによって季節が夏だけになってしまった絶望の世界だから、希望や平和な世界を子に見せてあげたいといった意味合いでしょう。

そしてラストでは、アニメ版同様に人類補完を拒絶するのですが、旧劇の砂浜のシーンになるのではなく、これまでのことがなかったごく普通の平和な現実に世界が一変します。

それは雪が降る2015年でシンジは東京に高校受験に向かう内容で、シンジの性格も前向きに変わっています。そこでアスカと会います。以前の記憶は無いのですが、無意識下で会ったことあるような…?といったものです。

外にはサードインパクト時のモニュメントの残骸がありますが、人々はそれが何かも分からなく生活しています。

ラストシーンは、高校受験に向かうシンジのカバンに旧劇でミサトがシンジに渡した十字のネックレスがつけられていることを見せて終わります
 

はい、これまでの話は無かったことではなく、「人類補完計画→シンジが自分で生きることを選んだ結果」により、世界はループ、再編されますが、残酷な世界線から、幸せな世界線に変わったというものですよね。

新劇の破だったかもしれませんが、レイの台詞で「碇君がもうエヴァに乗らなくてもいいようにする」といっていた世界、それはレイ=ユイの想いでもあります。

シンジは1巻1話冒頭で、生きていても良いことはないと言っているのですが、最終話では生きていれば良いことがある、というような前向きな考え方になり、それこそが「世界を変えた」んでしょうね。

テレビ版や旧劇の人類補完時のセリフでよくあったもので、「考え方、思い込みで世界は変わる」といったものがありました。実際の自分たちの現実世界でも、人それぞれ世界というのは自分自身の考え方や思い込み、フィルターを通して見えています。

否定的な考え方であれば世界は悪いものに見える
肯定的な考え方であれば世界は良いものに見える

といったものです。
 

まさしく漫画版エヴァの世界が変わったのはそういった意味で、シンジの今までのネガティブな思いの世界線から、人類補完を拒絶にてポジティブな世界線に変わった、として表現されていると思いました。

モニュメントの残骸や十字架のネックレスはそれまでの世界が実際に起きたことを表現しつつ、十字ネックレスはもう一人の主人公ミサトの想いがシンジに受け継がれ、生き続いているといった証でしょうね。

漫画版は王道的ですごく前向きにキレイにまとまっているなぁと思いました。
 

ちなみにエヴァは庵野監督のあの奇抜な展開だからこそ、ここまで人気が出た部分もあって、それこそがエヴァであるとも自分は感じていますw 漫画版はキレイに作品がまとまっているのですが、ある意味エヴァらしくないなぁと感じるジレンマがありますねw
もしテレビ版エヴァもこのようにキレイにまとまって完結していたら社会現象を起こすまでのブームにはならなかったもしれませんw
 

後編「後編【ネタバレあり】漫画「新世紀エヴァンゲリオン」全巻感想。マリの秘密、エヴァ本来のテーマ」に続きます。