シン・ウルトラマン感想。原作リスペストや山本耕史の存在感が素晴らしい【ネタバレあり】
シン・ウルトラマン観てきました。
シンエヴァ同様、初日に2回観てきました。
2回観たのは正解で、2回目の方が内容を理解できて楽しめました。
1回観ただけでは理解しづらいのはいつもの庵野監督節ですね(今回は監督じゃなく脚本ですが)。
※感想は随時更新していくかも
前提知識によって感想が変わるかも
とは言え、この作品、どこまでウルトラマンを知っているかで評価が分かれるかもしれませんね。
自分は昭和シリーズのウルトラマンは好きで、エヴァやシン・ゴジラ(昭和からのゴジラシリーズ)も好きな人間です。
そんな人間の感想を書いていきます。
個人的に良かったところ
現代ならではのウルトラマン
シン・ゴジラ同様、今の映像技術でかつての特撮作品を作ったらどうなるか、が表現されていました。
特撮作品は子供やオタクが楽しむようなイメージがありましたが、映像やセンスも洗練、スタイリッシュになっていて、豪華俳優陣が出演、一般の方の視聴にも耐えられるクオリティだと思います。
ウルトラマン愛やリスペクト、オマージュ
さすが庵野監督や樋口監督を始め、特撮が好きな方々が作った作品だけあります。
過去ウルトラマンシリーズを見ているとより楽しめるオマージュが楽しかったですね。
特に個人的には
・最初、株式会社カラーのロゴが出るところはウルトラマン変身の効果音ですが、ついに本家ウルトラマンの映画として使われた
・アバンでのウルトラQオマージュのシン・ゴジラタイトルロゴからの爆発ワイプ
・ウルトラマンが飛んでいるところは昔の特撮の人形のように見えるところ
・ウルトラマンが回転して降下、蹴りをするシーン(回転はオマージュですが、その後蹴りをするタイミングなどがすごく良かった)
・ザラブ戦にてバルタン星人オマージュの八つ裂き光輪
・巨大フジ隊員オマージュの長澤まさみさん
が良かったですね。
メフィラス
山本耕史さんがメフィラスにハマり役でした。
居酒屋で飲むくだりはウルトラセブンのメトロン星人のちゃぶ台シーンを思い出しました。
日本のことわざを好きな言葉、苦手な言葉として繰り返すのも味があっていいですね。
良い作品は印象に残る名セリフがありますよね。
その他色々
・ウルトラマンの正体がザラブによってバラされるところが作中での種明かしになっているところ
→映画を観ていてウルトラマンの正体が主人公と気づかない人はいないけど、作中ではそこで初めて完全な種明かしとなっていて、作中の人々と同様、周知の事実となること
・西島秀俊さんの演技
・ザラブ、ラストのウルトラマンの声の演技
→ラストのウルトラマンの声は高橋一生さんのようで、贅沢ですねw
エコーもかかっていることもあって、旧ウルトラマンでの声のような印象でした
気になったところ
ラスト、ゼットン戦の盛り上がりが欠けた
序盤から中盤、メフィラス戦まではテンポも良く面白かったのですが(というか駆け足ですがw)、ラストのゼットン戦がちょっと残念でした。
シン・ゴジラはラスト、ヤシオリ作戦で1つの巨大な敵に対してみんなで力を合わせて戦う一体感などの絵面が分かりやすく、盛り上がりを感じたのですが、今回はそれが分かりづらく感じました。
ラストバトルもそうですし、世界中の科学者とVRゴーグルを付けてやり取りするのもみんなで力を合わせる感じがないのですが、この辺は制作コストの問題に感じました。
また、長澤まさみさんの「おかえりなさい」の言葉の後、すぐにエンドロールに入るのも気になりました。
エンドロール後のCパートがあるのかな?と思ったりもして、もう一瞬余韻があっても良かったかなと感じましたがいかがでしょうか。
とは言え、再度観ればまた印象が変わるかもしれませんね。
ゼットンのデザインについて
自分はウルトラマンで一番好きな怪獣はゼットンで、シン・ウルトラマンでどのように出るか気になっていました。
今作で戦艦っぽくになっていたのは庵野監督のやはり好みでしょうか…w
先程書いた演出での盛り上がりに欠けたせいなのか、ゼットンに迫力や恐怖さをあまり感じられなく、ちょっと残念に感じてしまいました。
怪獣の姿でウルトラマンと肉弾戦をしてほしかった面もありますね。
セクハラ的表現について
長澤まさみさん演じる浅見弘子のセクハラ的表現(尻を叩く、匂いを嗅ぐ、巨大長澤まさみさんのローアングルなど)は自分も気になりました。
大ヒットしたシン・ゴジラではそういう表現はなかったので否が応でも比べられますし、過去の庵野作品でエロス表現は結構あったり昭和的な表現でもありますが、今の時代にそぐわなく不快に感じる人もいるでしょうし、もうちょっと控え目な表現で良かったと思っています。
人間ドラマでの実相寺アングルの多用・画質
人間ドラマのシーンで実相寺アングルや煽りが多用されていますが、ちょっと無駄に多用し過ぎてくどいかなと感じました。
また、撮影ではiPhoneを何台も使用していたようですが、それは即ち、撮影前にコンテが決まっていないということなり、渡された撮影データを編集していたのは庵野監督のようでした。
こちらについては「シン・ウルトラマン デザインワークス」に理由が書いてありますが、実相寺アングルの多用も庵野監督の指示ではないようですし、画質よりアングルを楽しむことが優先との理由ですが、やはりバラつきのある画質が少し気になりました。
小ネタ
・竹野内豊さんが登場
小ネタと書いてますが、これは作中でも「えっ!?」と思わせる面白い要素でした。
・魔法少女まどか☆マギカのキュゥべえのマグカップ(シルエット)が出てくる
外星人・地球外生命体が侵略してくる繋がりですかねw
考察について
庵野監督のインタビューは普通のパンフではなく、別売りの赤いデザインワークスに載っているのでそちらを買えば良いかと。#シン・ウルトラマン pic.twitter.com/HNhJZVX8pn
— オグヘイ (@oguhei3) May 13, 2022
庵野監督が手掛ける作品についてはいつも色んな考察が出ますが、今回はもう発売されているデザインワークスの手記に答えが出ていますね。
色々と制作事情、裏話、謎についてぶっちゃけられてます。
・シン・ゴジラとの繋がり
・カラータイマーがない理由
→ちなみに自分は庵野秀明展で知りました
・バルタン星人が出ない理由
・M78ではなくM八七の理由
・竹野内豊さん登場について
・ラストで斎藤工さんと長澤まさみの軽いキスシーンもあったけどカットした←個人的には放映通り無くて良かった
・ゾフィーではなくゾーフィの理由
・ゾーフィがラストで敵側(?)になる理由
・3部作構想で続・シン・ウルトラマン、シン・ウルトラセブンの企画案があった、今でもあるが制作費が高くて実現は厳しそう
・シン・ゴジラ制作中に既にシン・ゴジラ続編(東宝チャンピオンまつり的な怪獣プロレス)も企画されていた
・シン・エヴァ公開後、ネットでの関係ない家族も巻き込んだ批評とは思えない内容であれこれ言われて、精神的に危なかった
(近年SNSで誹謗中傷も多いですが、皆さん他人を傷つける言動はやめましょう)
気になる人は買って読みましょう。
この辺り、いきなりぶっちゃけてる理由は
・シン・エヴァのNHKプロフェッショナルで「今は謎に包まれたものを喜ぶ人が少なくなってきてる」と言っていた
・今は娯楽の消費スピードが早くなっている時代
・変な考察をされるよりは最初からバラした方が良いから
といったように感じています。
総評
気になるところも書きましたが、楽しめました!
ウルトラマン好きには楽しめると思います。
ただ、庵野監督が関わる作品は予想外の展開を楽しむところもありますが、シン・ウルトラマンは過去作をベースに脚本が作られているので、シン・ゴジラのような衝撃度はあまり感じられませんでしたね…。
シン・ゴジラはイチから脚本が作られていて新しさがあり、「これまで怪獣が存在したことのない実際の現実の世界に巨大生物が現れたらどうするか」という初代ゴジラ以降の世界観やパニック映画的な部分だったり、政治家の風刺ややり取りなども楽しめました(この辺りはゴジラを知らない一般の人でも楽しめる要素でした)。
脚本の新しさもあったシン・ゴジラはゴジラの新作・リビルドとなりますが、対して、シン・ウルトラマンの脚本は基本、原作に沿ったリメイク作品になります。
ウルトラマンを知らない初見の人はシン・ゴジラのように衝撃的な面白さを感じる人はいるかもしれません。
ただ、ウルトラマンを知っている自分としては、シン・ゴジラが面白かったが故に作品へのハードルも上がっていることや、ベースとなる脚本は旧ウルトラマンをなぞっていることで、シン・ゴジラ以上の衝撃は受けることはできなかったわけです。
ともあれ、そういった映画としてのクオリティについても、既に発売されているシン・ウルトラマン デザインワークスに制作事情が掲載されています。
(いきなりそんな制作事情をぶっちゃけて良いのかと思いますが…w)
庵野監督として、シン・ウルトラマンの制作は予算だったり、3作同時(シン・ウルトラマン、シン・エヴァ、シン・仮面ライダー)に関わっていたりとなかなか大変だったと見受けられます。
気になるところもありますが、今作シン・ウルトラマンは初代ウルトラマンを大事にしつつ、庵野監督・樋口監督のタッグで現代のウルトラマンが作られています。
旧ウルトラマンリスペクトや、庵野監督脚本ならではの世界観や設定はもちろん、人間やウルトラマン、外星人、ゾーフィなどが存在する世界で、ウルトラマンが人間に興味を抱くきっかけとなった「(人間が持つ)自己犠牲、つまり友情や愛」などを考えて視聴すると更に楽しめるかと思います。
欲を言えば、庵野監督が総監督として携わってほしかったのですが、その辺の事情は仕方がありません。
シン・ウルトラマンが大ヒットして、続・シン・ウルトラマンに庵野総監督で期待したいところですw
最後にいつもながら、庵野監督や樋口監督、制作のスタッフやキャストや関係者の方々、素晴らしい作品を作ってくださってありがとうございました。
シン・ウルトラマンの鑑賞、ウルトラマン知らない人が過去作履修した方が良いかという件、何も知らない状態で観る方が良いかも。先がどうなるか読めないのは庵野作品の醍醐味で、付け焼き刃で過去作履修するより後で実はこうだったと知るほうが楽しいかも。
ただし、どう観るかは最終的に自己責任で。— オグヘイ (@oguhei3) May 15, 2022
追記:11/27
映画3回目視聴は昔昭和のウルトラQやウルトラマンを見ていたという母と一緒に見に行きました。
自分も3回目の方がより映画を楽しむことができました。
ウルトラマンシリーズに興味を持った人へ
過去シリーズを見てみましょう
円谷プロのTSUBURAYA IMAGINATION、過去ウルトラマンシリーズが見放題になるウルトラサブスク、5月中は無料で観られるとのことです。
シン・ウルトラマンで過去ウルトラマンが気になった方は是非観てみましょう
→https://imagination.m-78.jp/
※出典:https://imagination.m-78.jp
私のYouTube配信でウルトラマンのゲームをプレイ
■スーパーファミコン版
■プレイステーション2版
良かったらチャンネル登録お願いしますm(__)m
ちなみに過去にシン・ゴジラの感想記事も書いています。
良かったらこちらもどうぞ。
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