【画像あり】株式会社カラー10周年記念展に行ってみた。その4「入場者配布冊子」庵野監督インタビュー、これは読む価値アリ
前記事その3からの続きです。
記事その4は、入場者配布の冊子についてです。
展示場内の内容については、記事1~3を見てください。
記事1:エヴァ序・破
記事2:エヴァQ
記事3:シン・ゴジラやおおきなカブ(株)他
冊子は厚さ約7ミリ、87ページに渡るかなり読み応えのあるものでした。
- 1. 表紙
- 2. 代表取締役社長 庵野秀明さん インタビュー一部抜粋・まとめ
- 3. 安野モヨコさんによる「おおきなカブ(株)」の漫画
- 4. 取締役 制作部部長 緒方智幸さん インタビュー 一部抜粋・まとめ
- 5. 取締役 デジタル部部長 小林浩康さん インタビュー 一部抜粋・まとめ
- 6. 取締役 作画部部長 鶴巻和哉さん インタビュー 一部抜粋・まとめ
- 7. 取締役 企画部部長 轟木一騎さん インタビュー 一部抜粋・まとめ
- 8. 文化事業担当 学芸員 三好寛さん インタビュー 一部抜粋・まとめ
- 9. 株式会社グラウンドワークス: 神村靖宏さん インタビュー 一部抜粋・まとめ
- 10. 日本テレビ放送網株式会社 映画事業部 プロデューサー 高橋望さん インタビュー 一部抜粋・まとめ
- 11. 10周年キービジュアル
- 12. 裏表紙(H4)
- 13. 感想
表紙
内容は主に
◇庵野監督の挨拶
◇安野モヨコさんによる「おおきなカブ(株)」の漫画
◇庵野監督をはじめ、取締役や会社に関わっている方のインタビュー及び、それらに付随する画像を用いた説明ページ
├作品を主とした10年史
├日本アニメ(ーター)見本市作品リスト
├3DCGのアニメーション
├自社作品、関連作品の宣伝デザインなど
├アニメ、特撮作品関連資料のアーカイブ化
└エヴァシリーズの商品化、タイアップ
◇10周年キービジュアル
◇カラー所属スタッフの社外仕事履歴
◇シン・ゴジラ対エヴァンゲリオン交響楽開催のチラシ封入
なお、「インタビューまとめ」と書いていますが、自分が気になったところ、面白かったところを一部抜粋、要約しました。
冊子は限定配布物なので、あまり多くを公開するのも会社さんに対してはばかられますので…。
代表取締役社長 庵野秀明さん インタビュー一部抜粋・まとめ
・カラー立ち上げについて
・新劇場版エヴァ立ち上げについて
・音楽出版をやる
音楽ビジネスはこれからも厳しいが、売れないなら自分で持っておきたい。
製作委員会と考え方は同じ。
・特撮アーカイブについて
・日本アニメーター見本市について
(カラーの)パッケージによるビジネスモデルのリクープは難しい、劇場配信になるが時間がかかりそう。
見本市→世界配信。
挑戦的に見えるがそうではなく、既存のこだわりがないので特異に見える。
今ある一番良いよいものを採り入れてやればいい。
これからも業界全体にとってアニメやキャラクタービジネスをもっと進めていきたい。
既存の二次使用料のビジネスモデルも踏襲できるものは踏襲していきたい。
・シン・エヴァについて
具体的に進めている。
それが終わったら、他のクリエイターの方にもぜひエヴァを作ってほしい。
エヴァを囲い込むつもりはないく、ガンダムシリーズのようにアニメ業界を永く支えるコンテンツ、柱の一本にエヴァもなれれば。
ガンダムも色んなタイプが楽しまれているようにエヴァもそれと同じようなものに成長してくれれば。作品には多様性があったほうがいい。
金儲けを嫌う人もいて、自分もアニメファンだからその気持ちが分かるが、お金が回らないと次が作れない。
・今後の商業アニメの方向性は3つ
キッズ、マニア、広い観客性に向けたエンターテイメント作品。
エヴァはマニア向けで裾野を広げて成功、会社の目指す方向性。
キッズもの→量産を前提とした工場にするしかない。
カラーは工場ではなく、職人がこだわりでものづくりをする工房としておきたい。
大きくして工場にするよりも工房を増やす方向性もあると考えている。
安野モヨコさんによる「おおきなカブ(株)」の漫画
カラーの10年史を面白おかしく描いています。
取締役 制作部部長 緒方智幸さん インタビュー 一部抜粋・まとめ
見本市の社内目的
・人材育成
・現場の稼働率向上
デザイン能力の高いスタッフが多いことは重要。
「デザイン能力=発案能力」
デザインセンスを実現するためにこの技術が必要という順序で、イノベーションを起こせる会社。
一般的なテレビシリーズを回す状況では、量産するための仕組み優先、業界全体で分業できる体制作りを重視するが、そういう規格から外れた部分に重きを置けるのがカラーの強み。
取締役 デジタル部部長 小林浩康さん インタビュー 一部抜粋・まとめ
カラー、デジタル部は外部の仕事を請けている。
Qで肥大化したデジタル部を養うため。
タブレットのデジタル作画主流になってくると、紙を介さないがゆえにできることも増えるのでまたひとつ面白いアプローチがある。
紙ではコストもかかるし手間、業界全体でペーパーレスに向かうことは止められない。
しかしアナログには価値がある。
取締役 作画部部長 鶴巻和哉さん インタビュー 一部抜粋・まとめ
アニメーターには美術や彩色や撮影など、最終的な出口までは興味ない、自分が触れられないと思う人が多い。
しかしデジタル作画なら、いずれはひとりで幅広く対応できる人が出てくる可能性がある。
既存のルールから逸脱するような驚きのある画ができる。
取締役 企画部部長 轟木一騎さん インタビュー 一部抜粋・まとめ
エヴァの特殊事情と宣伝について。
序は別の会社に任せていたが、結果的に自分たちでコントロールするように。
「一般的な映画宣伝の手法」との食い違いを感じたため。
「とにかく紙媒体の面積を取る」方針がエヴァには合わない。
・エヴァの観客層はネットの情報収集が重点
・大きな紙面を取るとそのぶん多くの情報を提供しないといけなく、失うものも多く、効率的ではない
エヴァでは情報をコントロールすることが重要。
Qではとにかく情報が出せず苦しかった。
金曜ロードSHOW!の冒頭丸ごと流すのは、Q宣伝の要として当初からの庵野監督の希望。
庵野監督は作家でありながら、作品が世に出る時の見え方やパッケージングまで自分でコントロールしたいと考えている。
そこまで含めて作品づくりととらえている印象。
文化事業担当 学芸員 三好寛さん インタビュー 一部抜粋・まとめ
庵野監督曰く、
「特撮は自分を育ててくれた血肉。それが危機的な状況にある。CGの影響で失われつつあるミニチュアを文化財として残したい」
「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」の企画展実施、大好評。
原点は「東京タワーなどミニチュアをつくっていた板金職人さんが高齢化で引退間近で新作がつくれなくなる。現存するミニチュアも継承者が亡くなればゴミ同然の扱いになる。なんとかならないか」「手仕事を残したい」「手でつくったもの大事なんだ」と訴えたい。
NPO「アニメ特撮アーカイブ機構(英略称/ATAC)」設立。
個人や一企業のできることを超えているため。
現時点では名前くらいしか発表できない。
アニメや特撮文化をできるだけ次世代に残す活動を推進。
アニメや特撮は、つくる人と成果物の果てしない積み重ねで映像ができている。映像それ自体だけではなく、そのプロセスを残したい。
株式会社グラウンドワークス: 神村靖宏さん インタビュー 一部抜粋・まとめ
グラウンドワークス:
カラー作品のライセンス管理とEVANGELION STOREの運営などを行う会社。
「新劇場版」直前、最大の商品化は2005年のパチンコが当時の新旧のファンをつないだと思う。
大元は庵野監督がパチンコ店に並んだ某キャラのノボリを見て「これをエヴァにしたら」という何気ない一言。
庵野監督が90年代に言った「相対評価ではなく絶対評価が欲しい」をよく覚えている。
オタクカルチャーの中で「何と比べて面白い」と褒められるのではなく、広く一般に知られて誰にでも「面白い」と言ってもらえる作品にしたいと。
ライセンス管理や商品化は、結局は庵野監督は好き嫌いを超えて、プロデューサー的な視点で「作品のためになるなら良し」という判断をしてくれる。
Qの宣伝では何を言ってもネタバレになるので、新規素材を使わない商品企画を進めた。
配色やデザインだけで勝負するのはエヴァだから成立する。
日本テレビ放送網株式会社 映画事業部 プロデューサー 高橋望さん インタビュー 一部抜粋・まとめ
スタジオジブリの鈴木敏夫さんから「庵野が会社を作ると言っているから、お前、手伝ってやれ」という一本の電話があった。
庵野監督は「作品を作りたい」だけではなく、「スタッフに還元をしたい」「アニメ界に少しでも貢献したい」と真剣に考えていた。
会社を作る上で大事なことは
・会社の目的
・会社の名前
・誰とやるか
会社の名前。
カラー(ギリシャ語で「歓喜」、英語では「色」)
(ちなみに命名は安野モヨコさん)
10周年キービジュアル
裏表紙(H4)
感想
インタビューでは、庵野監督が語っているのは珍しく感じました。
単に作品については語らないだけですよねw 作品で語っているとw 会社の経営や方針などのそういった点は語れるのでしょうね。
中でもシン・エヴァが終わったら、他のクリエイターにもエヴァをガンダムのように作ってもらいたい発言はびっくり。
庵野監督をはじめ、関わっている方々が何を考えているか、(アニメ)会社経営や技術、過去、現在、未来や展望、アニメ・特撮のアーカイブ化など読み応えが満載でした。
最近テレビアニメ業界が厳しいとよくニュースでも目にしますが、カラーの理念や経営方針、技術、展望などから業界全体に光明の糸口があればと考えました。
この冊子の内容を記事にした理由も、カラーの方針などに感銘や共感をしたからで、それを公開することで認知が高まり、アニメ業界の方々や回りまわって視聴者やファンのためになればと思ったからです。
自分も子供の頃からアニメは好きなので、これからも面白い作品を見ることができ、そのためには働いている方々がより良い環境で働け、そして業界に明るい未来があればと思います。
10周年記念展は行って良かったです。
エヴァやシン・ゴジラが好きで行ってみたのですが、それ以外にも監督の理念や、他作品やアニメ、特撮、業界のことを知ることができて大変感銘を受けるほどの内容でした。
ちなみに展示場では物販もあり、ポストカードと10周年カレンダーを買いました。
カレンダーの中身の絵柄は、主に展示されていたアニメの原画のプリントになりますね。
以上で、「株式会社カラー10周年記念展に行ってみた。」の記事シリーズはおしまいです。
※内容の記載について不適切な箇所がありましたらご連絡ください。速やかに対応いたします
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