「ゴジラVSデストロイア」感想【後編】 三枝未希の名シーンや他全般的に演出、細かいところについて
前編記事からの続きです。
前編記事は主に文章主体ですが、後編記事は画像メインになりました。
画像多めなのでちょっと重いかもしれません。
5. 平成ゴジラシリーズの顔、三枝未希の演技や心理描写
平成ゴジラシリーズ、VSビオランテ以降全てに登場していた三枝未希(小高恵美さん)。今作は前作と違って(おい)、ちゃんとゴジラへの愛情が伝わってきます。
三枝「もう7年。私自分でも分かるの。7年前より能力が落ちてるって。リトルを感じないのもだからかもしれないって思うと…不安なの」
芽留「不安? 私なんか早くこんな人と違う能力なくなればいいと思ってるわ。女の子なんだから、早く普通に戻って、恋もしたいし、結婚もしたいな」
この2人の意識の違いが面白いです。
「生きていてくれた…」
リトル(ゴジラジュニア)を見つけて安堵。もはや母親のような眼差しです。
デストロイアとゴジラを戦わせるためにジュニアを囮にしようとします。
三枝「できないわ、ジュニアをおとりにするなんて! ジュニアはアドラン島に帰ろうとしているのよ」
芽留「世界に目を向けて。そんな感傷捨てたほうがいい。今はなんとしてもメルトダウンを阻止することだけを考えようよ。あなたが行かないなら私一人だけでもジュニアの方向を変えてみる」
またしても二人の意識の違いが面白いです。
その後、葛藤しつつも同行する演技が大変良いですw
「これがゴジラの最期の戦いになるかもしれない」
ジュニアが死に、ゴジラとデストロイアの最終決戦時。
ちなみに予告でもこのシーン使われてますが、ネタバレになるのか背景が変わってますよね。
ジュニアから離れなければいけないシーン。
ずっと見つめていて、口元と手の表情がいいです。
最期、ゴジラが死ぬシーン。
「私の役目は終わった…」
実際役者としてもシリーズに連続出演していて、その役目が終わったとの意味合いも含め、さぞ色んな思いがあったでしょうね…。
ホント、あなたは永遠の平成ゴジラシリーズのヒロインです! お疲れ様でした!
6. シーン、演出など良かったところやツッコミネタ
▲香港でのゴジラ発見時、「赤い龍(リュウ)」の言い回しがイイですね。
山根博士の孫がゴジラ研究の論文を日本のGサミットに送ったのに門前払いされてしまいます。ただ、アメリカGサミットは受け取ってくれて、そこ経由で日本に情報が渡ります。
いかに日本は奇抜な発想を認めず、保守的、横並び社会というのが分かりますね…。
なお、1995年の記憶メディアはMO、しかも128MBくらいの時代かぁw
協力によるアップルロゴやMac、ゴジラのフィギュアや写真などに紛れ、三枝未希の会話になったときに一瞬彼女の写真が映っているのはナイス演出w
村田雄浩さん、VSモスラで丸友観光が潰れたことにより報道局に転職したんでしょうかwww
(もちろん別役ですw 念のためw)
会話中にタイミング良く携帯が鳴るシーンが多すぎw NTTドコモが協力していることや、当時は携帯電話が出始めの時期でもあったと思うので、その認知も含めて強調、宣伝したかったのかな?
水族館職員役の上田耕一さん。前作スペースゴジラではGフォース副司令官を演じていました。
ムックのインタビューで「(Gフォースの兵藤が)モゲラの失敗でクビになったのでは?」という質問も受けている
引用:wikipedia
エイリアン的な雰囲気、見せ方のシーン。参考と言えばそのまんまですが、それでもアングルやカットがいいですね。雰囲気出てます。
ただし、せっかくそこまで映画全体が良い感じで進んでたのに、幼体デストロイアが登場するのですがその造形がしょぼくてがっくりです…。
NTTドコモ広告に宅間伸さんがw 84ゴジラでの奥村宏は俳優になったんでしょうかねw
今度は携帯専用テレビ。1995年、そんな時代かぁw デザインがなんともw
▲デストロイアからの逃走シーン。
エイリアンからもそうですが、美女とモンスターの図は映えますね。
しかしデストロイアはそこまで接近しておいて、一旦身を引いてパトカーから出るw そしてパトカーを倒すw 意味が分からないw
ちなみにデストロイアの第二の口?(口から飛び出る口)の動きはマジックハンドでやっていたそうですw
「君のような考え方をするような男、我々のチームに入れたことを良かったのか悪かったのか」
VSキングギドラでも「キングギドラとゴジラを戦わせればいい」と言った人いませんでしたっけ…?
一瞬だけのシーンですが、ミニチュアって分かってしまいますよねw
キマシタワー!
デストロイアが狡猾でイヤらしいんですよねw(褒め言葉)
二度もジュニアに対してビルを倒壊させてぶつけることや、消えたり出現したりします。
▲デストロアの攻撃で泡を吹くジュニア。
VSビオランテからの川北演出。ただの怪獣プロレスじゃなくて、怪獣の攻撃の狙いや傷みが伝わってきますよね。
▲熱線ばかりではなく肉弾戦シーンも。
光線ばかりでなく、ちゃんと肉弾戦、えぐりや火花、血の演出も入れているのが良いですね。
「あれがデストロイアの成長しきった姿…」
…って、なんで「成長しきったって」分かるんだよw もっと成長するかもしれないでしょw
▲特撮シーンで俯瞰や遠間から見せるアングル。
こういったカットがあると全体像や立体感、位置関係、リアリティが伝わってきますよね。なおシン・ゴジラでもありました。
光の演出がイイですね。国際展示場との大きさを比較してみてください。
▲ゴジラがデストロイアに投げられて…国際展示場オワタ\(^o^)/
来年からコミケはどこでやるんでしょーかw
ジュニアを捕まえてる図。VSキングギドラやVSモスラのときみたいに熱線吐けw 熱線をw
でも大きさ考えたり、首を掴んでることから無理だったのかも。
▲小型群体化してまとわりつくるデストロイア。
「我が名はレ○オン。我々は、大勢であるがゆえに。」
▲ジュニアが死に、ゴジラが怒りと悲しみに狂うシーン
悲痛さが伝わってきます。良い演出です。
デストロイア、ゴジラとジュニアのシーンをブチ壊してくれますw
▲冷凍メーサー車。
東宝特撮お決まりのメーサー車が出ています。改めて見直すまであまり意識していませんでした^^; やっぱりメーサー車ですね!w
あと今作ではゴジラの体温が上がってるとのことで冷凍攻撃が多いけど、シン・ゴジラでもそうだし、冷凍や凝固などで科学的に動きを止めたほうが現実的ですよねw
デストロイアの最期は人間によって倒されます。ゴジラと人間が協力したとも見えますね。
▲背びれが溶け、ゴジラメルトダウン時のシーン。
効果音がなく、レクイエム調のゴジラのテーマのBGMアレンジの中、ゴジラが溶けていく様子が悲痛です。特に平成シリーズは繋がっているので、その活躍していたゴジラが死んでしまうのは悲しいです…。
このあたりは是非ご自分で見てみてください。
▲エンドロール。
初代ゴジラから過去のゴジラ作品の映像が流れます。
初代ゴジラの名シーンの、熱線を吐く、電車をくわえる、国会議事堂、そして84ゴジラ映像ではそのオマージュの電車を掴むシーンがあり、改めて見直して感動しました。そして「電車」はシン・ゴジラの在来線爆弾での逆襲に繋がるわけですw
音楽はテンポ早めのゴジラのテーマで、途中で対キングコングのメロディのメドレーになりますね。この曲のエンドロール曲は好きで、最初のダダダダン…というゴジラのテーマの入りも好きです。VSキングギドラの記事でも書きましたが、伊福部先生からすると一番観客動員数が多かったキングコングの曲は力の入った作品のときにかけるんでしょうね。
他にも色々名シーンがありますが、こんなところにしておきます。そこはご自分で見ていただけたらと思います!
残念な点
●黒木特佐役が高嶋政伸さんではない
VSビオランテで登場していた黒木特佐が出るのですが、役が高嶋政伸さんがスケジュールの都合で出られないとのことで、兄の政宏さんなんですよねぇ…。本人が出られたら燃えたのに…! それにVSメカゴジラの青木と混同しちゃいますよねw
●幼体のデストロイアの造形がしょぼい
上にも書きましたが幼体のデストロイアの造形がしょぼいです…。
●ミクロオキシゲンの放射の描写
ミクロオキシゲンは分解させるはずなのにふっ飛ばしてるだけに見えてしまい、どんな強さなのか分かりづらい。
●ジュニア捕獲→落下シーン
そしてジュニア落下。
「捕まえてどうするつもりだ!?」とか「キャー! ジュニアー!」という悲鳴のわりに演出が痛そうに見えないんですよね…。高さもそうだし。
総評
ちょっと残念な点もありますが、過去シリーズやシン・ゴジラを見た後だとすごく面白かったです。特に初代を理解しているかどうかでこの作品の面白さが変わってきます。
特に良かったのは前編記事に書いた「◇1.ゴジラのテーマや存在意義」ですね。テーマが良かったです。
ただ、逆を言うとこの作品は初代ゴジラを知っているファン向け作品に見えました。
もしシン・ゴジラで他ゴジラシリーズに興味を持った人は、できれば原点でもある初代、そして平成シリーズを見ると楽しめるかと思います。
だけど今の新規の方が初代を見て面白いかどうかは厳しいかもしれませんが…。
ともあれ、自分の中ではシリーズ一番と思っていたVSビオランテと同等、いやそれ以上面白いと思った作品でした!
オマケ
スーパーXIII出撃準備!
「…で、誰が出撃を?」
「特殊戦略作戦室のあいつしかいないでしょう」
「プテラノドンの熱狂的なファンです!」
お後がよろしいようで。
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