「千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー」をクリアしての感想。将棋を舞台にしたアドベンチャーゲームで面白かった

2020年10月11日

「千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー」という将棋を舞台にしたアドベンチャーゲームをクリアしました。

私は昔からアドベンチャーゲームは好きで、特にオホーツクに消ゆ、ファミコン探偵倶楽部、逆転裁判、シュタインズゲートが好きでした。
BGMが逆転裁判シリーズでも手掛けている岩垂徳行さんということもありましたね。

また、個人的にも最近将棋に興味があるからでした。
父親と将棋を指したり、スイッチの棋士・藤井聡太の将棋トレーニングもプレイしていることもあり、千里の棋譜は気になるゲームでした。
(将棋初心者として将棋ゲームの実況配信もしたりしています。)

確か初めてこのゲームを知ったのは、家庭用版発売日、元ゲーメスト編集長の石井ぜんじさんのツイートだった気がします。
元々スマホアプリで出ていたそうですが、この家庭用版は更に第二部を新規に付け加えた内容とのことです。
 

PV

 

プレイ動画

 

メーカーネタバレOKの箇所まで全4回配信しました。
 

良かったところ

シナリオ

将棋というピンポイントなテーマですが、将棋についてあまり詳しくない自分でも楽しめました。
実在の棋士の方が監修、登場されているので将棋に詳しい人ならより楽しめると思います。

シナリオ自体は将棋に向かう人たちの意志や誇りの描き方が良く、現代やこれからの将棋や社会について考えさせられる部分もありました。

物語の展開もミスリードを誘ったり、意外な展開が良かったですね。
プレイ動画もネタバレ禁止のため指定したところまでしかプレイしていないですがが、その後はまさかの展開で「こう来たか~!」と思いましたw
ネタバレになるので詳しく書けませんが、「ゲームだからできること」かもしれないですね。
 

ボリューム

定価は3000円と考えた場合、全体のボリュームは大きく感じました。
内容は1部、2部、オマケの詰将棋があるのですが、1部だけでも結構なボリュームに感じましたね。
 

オマケやオプションなど

オマケでは詰将棋(おそらくその棋士の方が考えたものでしょうか?)を遊べます。
 

また、ゲームの進行状態でキャラ情報が更新されていったり、オプションでの設定項目も細かいですね。
クリア後も各将棋パートなどを見返したりもできます。
 

気になるところ

ゲーム価格が3000円ということで通常のフルプライスのゲームと同様に語るのは憚れ、開発の状況や制作コストなど色々察し、仕方ない部分もあるのですが、他のレビュー記事同様、良い・良くないところを公平に書いていきたいと思います。

苦言を呈するようですが、メーカーの方は今後の参考にしていただけたら幸いです。
 

シナリオ一部

ボリュームが多いのは良いのですが、逆にメリハリ、冗長に感じる部分もありました。

また、二部のある部分、ちょっとSF度が大きくて「え、ちょっとはそれはないんじゃないか」と感じる部分も…。
まあ、いずれ現実に起こりうる可能性もあるし、許容範囲かなぁと思う部分もありますがw
 

キャラグラフィック

イラストレーターの方が複数人いるようで、キャラによって絵柄のタッチが違っていたり、一部、実在の方と顔が似ていないのでは…と気になる部分も。
 

背景グラフィック

場所によって背景の描き方が原因で、人物と背景の位置関係、パースがおかしく感じる箇所があります。
まあ、背景はイメージとして捉えれば良いのですが…w
 

声優

声質が似たような声優さんの起用や、声優さんによって演技力が気になる部分がありました。

もちろんイラストやゲーム全体の作りも定価が3000円なので、開発コストにも限界があるのでもちろん許容範囲なのですが…。
 

UI

オマケの詰将棋のUIがちょっとストレスでした。

問題を最初Aボタンで確定し、Xボタンで決定する仕様です。
普通にAボタンで一回押せば良いんじゃないかと思いましたが…w

画像は問題を全て出してしまっていますが、通常は問題クリアしないと次の問題が表示されません。

上の画像のときにAボタンを押すと下の画像の状態に切り替わります(「Xで始める」が表示)。
そこでXで問題スタートです。

何問も続けて解いていくと、つい一般的なゲームのクセで、新しい問題を選択するためにまず下を押しAボタンで決定を押そうとするため、間違えて同じ問題を選んでしまうのでストレスでした(実際プレイしてみると分かりますが)。

しかも問題が始まると正解するまで選択画面に戻れません。
Bボタンでキャンセルし、各問題の画面に戻れて良かったように思います。
 

総評・まとめ

総合的にすごく楽しめ、買ってプレイして良かったです。

気になるところも挙げましたが、全然許容範囲で、どんな作品でも良いところ・そうでないところも出てきますし。
 

定価は3000円くらいなのでインディーズゲームという位置付けでしょうね。
フルプライスのゲームではないので、こうしたピンポイントのテーマでに挑戦できる部分もあるかもしれないですね。

将棋が好き・興味ある人やアドベンチャーゲームが好きな人には是非オススメです。

 

 

また、書籍「ゲームに人生を捧げた男たち」にプランナー・シナリオライターの宮下英尚さんのインタビューがあるので、このゲームが面白いと気になった方は読んでみるとより楽しめるかと思います。