RPG「オクトパストラベラー」8人クリアの感想。近年稀に見る最高のゲームでした【スイッチ】

2020年11月16日

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ようやくニンテンドースイッチのRPG、オクトパストラベラーをチマチマプレイしつつ8人全員クリアしました。

結論から書くと、自分にとって近年稀に見る最高部類に入る傑作でした。

世の中には面白い、クオリティが高いゲームなど色々捉え方や言い方もありますが、十分その水準を満たしており、何よりこのゲームは自分好みの肌に合うゲームでした。

ファミコン、スーファミ世代のRPGが好きだった人にオススメのゲームです。
 

まずはこれがネタバレなしの感想になり、後日ネタバレありの感想を書く予定です(※もうしばらくお待ちくださいw)
 

良いところ

ファミコン、スーファミ時代のJRPGの良さを再現、且つ、今風に

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昔のJRPGの良さを感じました。
特にファミコン、スーファミのFFやロマサガが好きだった人には楽しめると思います。

昔のRPGはハードの制約上、テキストとちょっとしたアニメーション、BGMで表現することが全てでした。

ですが、その良さって結果的にプレイヤーの想像力に委ねる部分があったからこそだったんですよね。

以前のドラクエ11感想記事にも書きましたが、どんなに美麗なグラフィックや演出も、各々のプレイヤーによる脳内補完、想像力に勝つことはできないと自分は思っています。

今の時代、ゲームでは美麗3DCGは当たり前になっていますが、逆に見た目だけに捉われてしまって、ちゃんとプレイヤーの心理導線、琴線に触れているかが疑問に感じる部分もあります。

ましてゲームなので、見せることよりもプレイヤー自身が遊んで感じる体験こそが一番大事だと自分は思っています。

そういった意味でこのゲームはその部分をきちんと押さえており、ちゃんと昔のJRPGをリスペクトしたゲームでした。
 

シナリオや世界観は王道で普遍的

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これは時代や好みの問題もありますが、最近のゲームは中二病や萌えキャラ、SFが入る世界観、シナリオが多くなってきていると思います。

ですが、このゲームのシナリオや世界観は徹底したファンタジーであり、昔のゲームさながらの王道でありつつ普遍的なものに感じました。
(自分も年を経ったのか、もはや中二病設定のキャラやシナリオは食傷気味なので良かったですねw)

普遍的なものというのは、いつの時代になっても変わらぬ良さがあります。
「今はこれが流行っているから、といった流行りに乗った」ものではありません。

小説や映画、なんでもそうですが、大人になってから見直すと気付くことがあると思います。
それは何より自身の人生経験があったからこそ分かるものなんですよね。

そうした良さがこのゲームでもあるのです。
最近のビジュアルとシナリオ重視で見せれば良いというゲームとは違うと感じました。

このゲームはCGムービーもなく、セリフとドット絵キャラがちょっとアニメーションするくらいの表現です。
それは逆を言うと、昔のゲームをプレイしたことがある、そうした行間が読める、人生経験の積み重ねがある人こそ、より楽しめるゲームだと思いました。

プレイヤーキャラも8人いるので、それぞれの旅があって、自分好みのキャラやシナリオがあると思いますよ。
個人的には商人の女の子のトレサのシナリオが好きでしたね。
 

■開発者インタビュー
【『オクトパストラベラー』インタビュー】1年弱かけて作ったシナリオを捨てる英断。そこから生まれた“ロールプレイ”の旅(1/2)
 

テンポが良くストレスが無い

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自分がこの数年色々なゲームをプレイしていて気になったのがテンポです。

ローディングが長いのはもはや論外として、やっぱりゲームなのですから余計なストレスなく楽しく本編をプレイしたいものです。

まして、大人になると毎日が忙しかったり疲れたりして、折角遊ぶゲームでも些細なストレスを溜めたくなかったり、無駄な時間を使いたくありません。

ですが、このゲームは移動やバトル、イベントなどがテンポが良くてサクサクしていて、無駄な部分も削ぎ落しています。
 

ダンジョンも広くなく、無駄な探索や貴重品のためのアイテム収集に心労をかける必要もありません。
(もちろん敵のエンカウントを下げたり、逃げやすくするアビリティもあります。)

ダンジョンもマップで出入り口やセーブポイント、イベント発生の場所が表示されるのですが(任意でオンオフ可能)、逆に考えるといきなりボスやイベントに遭遇せずに寄り道でアイテムが取ることができますw
また、ダンジョンもイベントクリア後にいつでも行けるので、そのときでしか二度と手に入らないというストレスもありません。

プレイすると分かりますが、やめどき、区切りが分かるゲームなのも良く、まさしく忙しい大人にとってチマチマプレイしやすいんですよね。

このあたりのストレスの無さは昔のRPGの良い面は残し、無駄な部分は削ぎ落としているのを感じました。

今はスマホゲームが人気だからこそ、同じようにサクサク、短いサイクルで遊べるプレイスタイルにしたのだと思います。
スイッチなので持ち運びやスリープもできるから尚のことだと思います。
 

バトルが楽しい

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RPGの醍醐味の一つは戦闘の楽しさがあると思います。

このゲームはもはや定番、今となっては古いと思われるターン性のコマンド式ですが、そこにこのゲーム独自のシステムを加えています。

・ブレイク
敵の弱点を突くと一定確率でブレイクさせることができます。
ブレイクすると敵は一定時間行動不能且つ、無防備状態になり、その間に多くのダメージを与えられるようになります。

・ブースト
プレイヤーの各ターン毎にブーストポイントが1ずつ溜まります(最大5)。
そのブーストポイントを任意の数(最大3つ)を使ってその分攻撃を強くすることができます。
ダメージが増えたり、攻撃回数や回復量が増えたり、アビリティにも使用することができます。

いかにブーストを溜める戦略を練るかもポイントになってきます。
 

最近RPGをあまりプレイしていなかった自分ですが、まだまだこんなアイディアがあったのかと感じました。
 

ジョブとアビリティ

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各キャラの専用ジョブとは別に、ゲームの途中から別のキャラのジョブを追加で選ぶことができ、もちろんジョブによってアビリティも異なり、そのアビリティも好きな順番から習得できます。
自分なりのカスタマイズができ、このボスだからこうした編成で挑む、というのが楽しいです。

この途中からというのもポイントで、ユーザーのゲームの理解度を考慮して設定しているのが分かりました。
 

ボスが強い!

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自分はファミコンのドラクエ2が初めてのRPGで、めっちゃ苦労してクリアした記憶がありますw
ですが、その苦労ややりがいがあったからこそクリアして楽しめたゲームでした。

RPGも特にスーファミのFF6あたりから万人に向けにするためか、難易度が低下してきたように思います。

ファミコン時代のドラクエやFFなどをプレイしている自分としては強いボスと戦えるのが楽しかったのですが、最近はあまりそうした手応えを感じるゲームが少なくなっていると思います。
また、他のRPGでキャラ育成を好きなようにカスタムできる弊害として、自分たちが強くなり過ぎてボスが弱く感じられてしまうこともありました。

しかし、このゲームのボスはそれも考慮した上で強くてやりがいがありましたw

やっぱり強いボスと戦って全滅するかもしれないという緊張感や、だからこそどう攻略するかを考えるのは楽しいんですよねw
 

音楽がめっちゃ良い

 

▲お気に入り曲のボスバトル2
 

音楽がめちゃくちゃ良いゲームです。
自分はすぐにサントラを買いましたw

開発者のインタビュー全般を読むと、このゲームは昔のRPGの良さを今風に表現することがコンセプトのようです。
BGMに関しても同様で、生のオーケストラでありつつも昔のゲームのようなメロディ主体の作りになっています。

各フィールド曲も良かったり、特にボス曲がカッコ良すぎです!
個人的にオーケストラなのにドラムも使っているのもすごく好きです。

また、このゲームで特徴的なのが、ボス戦に入る前は各キャラ固有のイントロが流れ、そのままシームレスにボスバトルに移行します。
これがすごく良かったです!


 

そして何よりBGMも単に曲が良いだけではなく、ちゃんと一つのゲームとして一体感があって作られているのが良いんです。

ボス曲も「ボスバトル2」も好きですが、各キャラのラスボスの「旅路の果てに立ちはだがる者」も大好きです。

エンディングの曲には思わず涙腺が潤むほどでした。
エンディング曲は各地方のフィールド曲のメドレーが流れるのが最高です。
実際インタビューでも言われてましたが、実際ゲームでは各キャラのテーマより、各フィールド曲の方がプレイヤーは何回も聞いて馴染みがあるんですよね。
特にフィールドでもサンランド地方の曲は大好きですw
 

【『オクトパストラベラー』インタビュー】RPG世代として、ユーザーと自分をガッカリさせない音楽を作る。西木康智氏の“進化”への挑戦(1/2)

 

自分だけの冒険の旅

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何度も書いていますが、このゲームは昔のRPGの良さを表現することコンセプトにしています。

それは一本道のシナリオ主導やビジュアルで見せるRPGではなく、プレイヤー自身の冒険、体験をテーマとしています。

誰を主人公にして誰を仲間にするか、色んな街でどのような行動を取って、どんな強敵と戦って、どのようなことが起きたか。
そのプレイヤーの体験こそがこのゲームの真のストーリー、冒険の旅なのでした。

それを見事一貫して表現していて、久々にJRPGの良さを感じることができました。
 

……他にも良い部分や魅力は沢山あるのですが割愛しますねw
 

良くないところ

これまで絶賛してきましたが、逆に信者気持ち悪いwと感じる人もいるでしょうし、ちゃんと公正な目で良くなかったところも書こうと思いますw

ただ、良くなかったところというのは、開発者もそれを分かってていながら、敢えて振り切って作ったんだと感じました。
すごく考えて作られているのが分かるゲームなんですよね。

それに良くなかったことと言っても些末な部分ですがw
 

仲間との絡みが少ない

仲間をパーティに入れる動機が特になかったり、折角パーティに入れてもたまに表示されるパーティチャットでしかキャラの会話を見ることができません。
もうちょっと色んなキャラの絡みが見たかったなぁw

ただ、ここはTRPGの良さも考慮した作りになっているようなので、プレイヤーの想像に任せている部分もあるんでしょうね。
 

中だるみがする

これはネタバレして大丈夫な要素だと思いますが、各キャラクターのシナリオは全4章になります。
各パートも街でイベント発生→ダンジョン→ボスというサイクルになります。

これについては途中でそのサイクルが単調になってしまい、中だるみを感じてしまうかもしれません。

ただ、良い点としてはサイクルが分かるので、ここまでプレイするというやめどきが分かったり、チマチマプレイする分には最適かと思います。
こればかりは開発者はこうした構成に振り切っているのが分かりますがw

まあ、一長一短ですよねw
 

使えるキャラがハッキリする

各キャラのジョブやアビリティで使える・使えないのキャラがハッキリするような気がしています。
まあ、これは実際に他のスタイルでプレイしていないので検証もしていませんがw

ただ、レアな宝箱を収集できるキャラ、ザコを一掃できるキャラを入れてしまうことで偏ってしまう気もしますねw
 

総評・まとめ

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ネタバレなしの感想なので細かく書いていませんが、本当に面白かったゲームです。

実際にこのゲーム、ちゃんと売上や評価でも結果を出しているのが面白さの証明になると思います。

スイッチで完全新作のゲームで、国内でもジワ売れしてもはや出荷が18万くらい(DL版合わせるともっと行くでしょう)、全世界では100万本らしいです。
海外からでの評価も高いようです。
 

もう一度言いますねw

スイッチで、シリーズモノではなく完全新作のゲームで、ですw

これはすごいと思います。
 

ゲームのクオリティも高く、とても丁寧にユーザー目線で考えて作られており、開発者の手腕や想い、こだわりや情熱が伝わってきました。
 

無料体験版は3時間まで遊べるようなので是非一度触ってみてほしいと思います。
それで面白く感じたら合うゲームでしょうし、それで面白くなかったら合わないゲームだと思いますw
※話によると無料体験版はもはや終了してしまったとか…?

そこは昔のRPG世代向けに振り切ったゲームでしょうから、好みがあると思うので仕方ないと思います。
 

最後に

昔のゲームは面白かったという人には是非プレイしてほしいと思いました。

自分にとって2018年最高のゲームになりそうです。
本当にこのゲームと出会えて良かったです。

ちなみに自分は格ゲー好きで、当ブログでも(ウルトラ)ストリートファイター2の記事が多く、そのウルトラストリートファイター2によって色んな人と出会えることができて良かったと感じています。
このゲームのためにスイッチ本体を買って良かったと思ってるほどですが、ゲーム単体としての評価は気になる点もあるんですよねw

そういう意味でこのゲームの単体としての評価はとても素晴らしかったです。
点数を付けるなら98点くらい、ほぼ満点でしょうか!
 

本当に素晴らしいクオリティのゲームです。
スイッチを持っていて良かったです。

世界観、シナリオ、イベント、バトル、バランス、BGMなどなど全てが「昔のJRPGの面白さを表現する」というコンセプトで統一されていて素晴らしかったです。

そしてユーザー自身のプレイこそが冒険である。
そんなゲームの原点に立ち返ったようなRPGです。

 

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紹介動画

 

公式サイト
http://www.jp.square-enix.com/octopathtraveler/