「ゴジラ(1984)」感想。シン・ゴジラを見るとまた楽しめる作品。
昭和ゴジラシリーズ感想(後半)からの続きです。
今回から平成シリーズの記事になります。
※記事にはゴジラ(1984)とシン・ゴジラのネタバレがあるので注意してください
ゴジラ(1984)、子供の時以来、改めて見ました。
なお、今作は昭和59年の作品ですが、平成シリーズにカテゴライズされています。
平成シリーズは、後に
VSビオランテ、
VSキングギドラ
VSモスラ
VSメカゴジラ
VSスペースゴジラ
VSデストロイアと続いていきます。
まず、ゴジラの設定のお話。今作が2体目のゴジラです
区分や作中の世界観の説明として、まずゴジラは初代(1954)で最初の1体目が登場します。そしてオキシジェンデストロイヤーによって死滅します。
今作の設定として、初代ゴジラの次の2作目のゴジラの逆襲~メカゴジラの逆襲までの話は無かったことにされているのです。
そして今作1984版で、日本で2体目のゴジラが初めて登場するという設定になっているわけです。
つまり、初代ゴジラの世界線として続いているのがこの1984版ゴジラなのです。
なお、平成シリーズでのゴジラは、この1984版~ビオランテ~デストロイアまでの7作品は全て同一、共通の一体のゴジラとして描かれています。
さて前置きはその辺りにして、今作の感想ですが、実は子供の頃見たときはつまらなかったんですよねw ところが自分も大人になり、そしてシン・ゴジラを見た今、改めて面白く感じました。
個人的評価:70点。
予告
面白かったところ
◇リアリティとシン・ゴジラのオマージュ元、そして対比
シン・ゴジラ程ではないですが、リアリティがあり、当時の政治や外交情勢(冷戦の米ソ)などが描かれています。ゴジラの出現も国民に公表すると混乱を来たすとのことで最初は隠蔽していますが、こういった国民の不安を煽るために非公表というのは現実的でもあり、シン・ゴジラでも似たような描写がありました。そしてゴジラの出現や対策による政治家のやり取りもこれまでのシリーズに比べると格段にリアリティがあります。さすがテーマとして初代ゴジラを意識した制作したこともありますね。
シン・ゴジラを見た後だとオマージュの元が分かったり、その対比もあって面白いですよ。
▲アメリカ、ソ連(現ロシア)はゴジラを倒すためには核を使うしかないと言います。ゴジラ抹殺のための核攻撃はシン・ゴジラでもありましたよね。
▲総理の「核兵器使用は行わない」発言に対して、ソ連からはエゴイズムと言われます。しかし総理は「核を使うこともエゴイズム」と反論。
総理は米ソに非核三原則の堅持や「核兵器を使うのもエゴイズム」、「あなたの国でも同様の出来事があったら核を使いますか?」との発言による交渉で、無事核を使用せずに済むことになります(こちらもシン・ゴジラでは、竹野内豊さん演じる赤坂が「ニューヨークにゴジラが出現したら同じように核兵器を使う、とのそうだ」との発言があって面白いですw)。
交渉によって核攻撃は停止したのですが、ゴジラの攻撃によって核ミサイルの発射装置が暴走、作動してしまいます。そして、それを止めようとするのですが…。
▲核ミサイルが発射準備されてしまった!
▲扉が狭くてなかなか入れない!
▲ようやく中に入れた! ちゅどーん!
まさに入るなよ、絶対入るなよ!のコントのような流れで笑ってしまいました。
さて、そして暴発した核ミサイルですが、アメリカの迎撃ミサイルによって成層圏にて破壊、作戦は成功します。爆発元は丁度東京の真上らしくご覧のような赤い空に…。
伝統のメーサー車、そしてスーパーXが登場
冒頭に書いたように全般的にリアリティある作品なのですが、メーサー車やスーパーXはリアリティが欠ける要因のひとつとなっています。しかしそれは特撮映画、ゴジラシリーズからの伝統でもあるし、娯楽映画、エンターテイメントとしてのことでしょうね(本当はシン・ゴジラのリアリティこそがむしろ異常な程なんですけどね)。
▲炊飯器登場! どういう原理で空を飛んでるか不明w
▲下2つの画像は次作VSビオランテ冒頭にも使われています。
この演出・アングルはめちゃくちゃ好きです! そして夜景にメーサー砲の画は映えますね。美しい。
初代ゴジラオマージュ。そして在来線爆弾へ…
さて、東京進出のゴジラですが、ゴジラを発見した新幹線の運転士が慌てて急ブレーキをかけるのですが、丁度狙いを済ましたかのようにゴジラの真ん前に停車しますw
これもコントかw
▲わざわざ狙いを澄ましたかのごとく、ゴジラの近くを走る新幹線w
▲「うわーっ、ゴジラだー!」
▲急ブレーキ!
▲キキーッ!
▲「うわーっ!」
▲ブレーキした場所は「ゴジラ目の前~、ゴジラ目の前にご到着~♪」
▲そしてゴジラに掴まれ、どうでもいい感じで放り投げられますw 無残で悲しいw
こちらは言わずもがな、、電車がゴジラによって破壊されるのは初代ゴジラのオマージュで、そしてシン・ゴジラでは、あの無人在来線爆弾として列車群の逆襲に繋がるわけです。
ラストは超音波で誘導、三原山火口に
ゴジラは鳥の鳴き声による帰巣本能があることを発見し、ラストではその超音波でゴジラを誘導、三原山火口に落とします。
しかし、作中では帰巣本能についての根拠や証明も殆ど無く、実験や検証もぶっつけ本番でやっているんですがいいんでしょうかねぇ?w 研究者もたった3人だしw
なお、三原山にはこんな逸話が。
公開から2年後の1986年に、三原山が噴火した。本作のラストシーンは、「ゴジラが三原山の火口に誘導されて落とされ、消息不明になる」というものだったため、「噴火はゴジラのたたりなのでは?」とささやかれた。また、噴火と共に「ゴジラ岩」が形成され、三原山の名物スポットになった。
出典:wikipedia
その他気になったことを羅列
◇主人公の名前
主人公は新聞記者の牧吾郎。シン・ゴジラでは牧悟郎博士が出てきます。漢字こそは違いますが同名です。
◇ゴジラが来ても避難しない内閣
総理や官僚たちが集まる永田町にゴジラが向かうのですが、シン・ゴジラとは違い、総理や官僚たちは避難しないんですよね。そしてゴジラが建物の真上を通過します。さすが首相、逃げないのは勇気があります!…って、いやいや、ちゃんと避難してくださいw
◇喫煙シーンが多い
あと今作だけではないですが、昭和作品はタバコを吸うシーンが多いですんよね。会話シーンでは喫煙シーンを多く見ます。少し前に映画などでは喫煙シーンは悪影響を与えるとのことで控えるようになりましたね。今とは時代は変わりました。
◇宅間伸さんが若い
▲2016年10月、丁度今は勇者ヨシヒコでも出演していますよね。
30年前なので若いのは当たり前ですが、いやー若いw
◇30分で(新宿から)避難しな
ゴジラが新宿に向かうとき、政府は新宿区民を30分以内に避難させるようにと無茶振り、そして完了しました!と言うんですが、いやー30分はムリでしょうw
◇沢口靖子さんが可愛い
…しかし、最近自分は「女の子が可愛い」とばかりブログで言っているような気もしますがw
同時にほのかな恋愛場面も描かれます。主人公とヒロインの吊り橋効果ですね。初代、1984でも恋愛劇はあったかと思うと、シン・ゴジラではバッサリ切ったのはすごいです。
◇巨大フナムシ(ショッキラス)がキモイ&ショボイw
▲見たまんまです。ショッキラスという名前は初めて知りました。
◇民衆がヤジ馬すぎる
スーパーXによるカドミウム弾でゴジラは沈黙。それを見に来る群衆ですが危な過ぎでしょうw 後に東京上空の核ミサイル爆発によって乱気流発生、落雷によってゴジラは目を覚まします。
◇武田鉄矢さんが浮浪者として登場
火事場泥棒をしている役で出演しています。真面目な作品な中、笑えるシーンでもありますが、ちょっと滑ってるかなぁ。
▲このシーンいるかなぁ?w
▲主人公とヒロインが倒壊したビルから降りるためにロープを渡します。
▲そして沢口靖子さんのスカートの中をガン見する浮浪者の図。
◇鳥山明さん、堀井雄二さん、さくまあきらさん他有名人が登場
wikipediaを見ると、新宿の広場に集まる群衆に鳥山明さん、堀井雄二さん、さくまあきらさんがいるようで、ポスターの群衆の一番前は鳥山明さんなのだとか。
◇ゴジラ新宿に上陸
この場所、当時さくらや(現ビックカメラ)があることから、新宿駅東口、アルタ前でしょうか。
◇新聞メディアが強い
1984年。今から約30年前ですが、当時はネットはもちろんパソコンも普及してませんし、携帯電話もありません。メディアとしてはテレビ・ラジオ・新聞しかなかった時代です。ゴジラ出現にしてもこれまでのゴジラシリーズ同様、新聞がメディアの中心となっていた時代です。
◇エンドロールがあります
何を言っているのか分からないと思うかもしれませんが、昭和ゴジラ作品にはエンドロールがありません。昭和ゴジラでは冒頭にスタッフのクレジット表記がされているんですよね。
はい、そしてエンドロールでは謎のゴジラの歌が流れますw
◇ゴジラの造形、特に顔がカッコ悪い…
▲白目が多く、目が何処を向いてるか分からないこともあるかな…。
▲次回VSビオランテ以降の造形はめちゃくちゃカッコイイです。ビオゴジはイケメンと評されることも。
出展:http://ameblo.jp/
◇音楽について
伊福部昭さんではないですし、それは良いとしてもゴジラのテーマが流れないのが残念です。でもスーパーXや自衛隊登場時のBGMはカッコイイです。
総評として
面白かったです。シン・ゴジラを見たならば、是非初代(1954)、そしてこの1984版も見ることをオススメします。そしてその流れで平成シリーズを見るともっと良いと思います!
次記事、『「ゴジラVSビオランテ」感想。一番好きな作品。ファン高評価の5つの理由。』
シン・ゴジラを除き、シリーズで一番好きな作品だけについに来たという感じですw
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