「ゴジラ×メガギラス G消滅作戦」感想。固定観念に縛られない意欲作で、ノリは平成ウルトラマン。
前記事「ゴジラ2000 ミレニアム」感想の続きです。
シン・ゴジラを見てからのゴジラシリーズ感想。
「ゴジラ×メガギラス G消滅作戦」。2000年12月公開。
個人的評価:40点
初見です。
前作の反省点を活かして、脚本、人物の描き方、演出、テンポ、娯楽性、BGMなど、総合的に比べると良くなっていました。
ただ、ノリが平成ウルトラマンのようで子供向けな印象ですw ゴジラシリーズとして見ると、個人的には「うーん」という感じですが、見方を変え、子供向けとしてこうしたゴジラもアリかな、とは思います。
予告
あらすじ
▲1954年ゴジラが生きていたという設定
1954年ゴジラが実は倒されておらず、同じ個体のゴジラが何度も日本襲撃。その中で原発を破壊され、ゴジラが目標としている原発の永久放棄。代替エネルギーとしてプラズマエネルギー開発をしていたが、それもゴジラに破壊される。その中で自衛隊で出動していた隊長が死に、生き残った主人公の辻森(田中美里さん)の復讐劇。
また、男主人公としては工藤(谷原章介さん)が出ていたのにはちょっとびっくりw ノリが軽い天才科学者として登場。ディメンション・タイド(ブラックホール砲)を開発し、ゴジラ消滅に挑みます。その試験実験の際に時空の亀裂が発生、そこから太古の巨大昆虫メガニューラが現れ、卵を産み落とします。その卵がメガヌロンとなり、渋谷が水没してしまう。
といったようなもの。
脚本の感想
▲大阪に首都移転
▲核に変わる新しいプラズマエネルギー
発想が面白いと思いました。
過去のゴジラが生きていた、原発廃棄、首都が大阪に移転、渋谷水没など一見荒唐無稽ですが、空想科学映画としては良かったと思います。過去に囚われていては新しいものは生み出せません。そしてその説得力も”前作に比べる”と、脚本や演出も良くなって説得力がありました。
ウルトラマンに出てくるような戦闘機が活躍したり超兵器も出てきます。ノリが子供が夏休みに見る映画、平成ウルトラマンのノリですがw
ただ、やはりこれまでのゴジラシリーズが好きな人間からすると、「ゴジラである必要あるのか」「違うなー」と思っちゃいますけどねw 超個人的にゴジラ映画としては違うなーと思いますが、まあ、こういう子供が楽しめる娯楽映画としてはいいんじゃない?と思ったりw
ただ、序盤のそうした設定も、後になってあまり活かされいないのがもったいないと思いました。
人物の描き方
▲ゴジラに飛び乗るのはすごい
これも前作よりちゃんと人物像が描けていました。復讐に燃える直情的な女主人公など。
あくまで前作と比べて、ですがw
演出
怪獣の主観や俯瞰アングルもあって、見せ方が良くなっていましたね。
くどいですが、前作と比べて…w
CG・特撮
▲水没する渋谷
時代の技術もあり、客観的には厳しいかなと思いますが、でも自分は話さえ面白ければそこまで見た目にはこだわりません。とは言え、CGで水の表現は難しいのに(しかも当時)、渋谷水没などで水のシーンが多いのですが、意欲的で頑張っていたと思います。
敵怪獣について
▲最終形態のメガギラス
3段階に変身します。メガヌロン→メガニューラ→メガギラス。こういった変身は男のコ心をくすぐるものです。
幼虫のメガヌロンは「空の大怪獣ラドン」に出ていたんですね。「ラドン」は見てないなぁ。
昆虫というのが、ゴジラシリーズでも既に同じような形態のバトラがいたこともありますし、個人的にあまりパッとしないのですが、珍しいしこういうのもアリかなぁと。
BGMについて
今作では大島ミチルさんが担当。
ゴジラシリーズというと重い音楽が必須ですが、今作はなかなか合っていたと思います。
ただ前作ミレニアム含めて、作風がゴジラ映画らしくないのか、その中で伊福部昭先生のゴジラのテーマが使われると逆に浮いちゃって聞こえますね^^;
総評・まとめ
意欲的な作品だと思います。
従来の「ゴジラ」という固定観念に縛られなく、娯楽性の高いエンターテイメントとして、童心に帰って見てみると楽しめるかもしれません。
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