「ゴジラVSモスラ」感想。「環境破壊」「家族愛」がテーマのファミリー作品
出典:http://oriongogo.blog.fc2.com/
シン・ゴジラを見てからのゴジラシリーズ感想。
「ゴジラVSモスラ」。1992年12月公開。
個人的評価:65点
前記事「VSキングギドラ」からの続きです。
今作はモスラが登場で「環境破壊」「家族愛」がテーマで、かなりファミリー向け作品になっています。
モスラ効果なのか、平成シリーズ以後、一番の動員数420万人、興行成績22.2億円だそうです。そのヒットの要因は、怪獣映画は女性にとって興味がない人が多そうですが、その中でもモスラは女性受けも良いですし、子供も怪獣好きな男の子だけでなく、女の子が親と一緒に劇場に来たんでしょうね(家族連れだと入場者数が増えるので)。
予告
▲今作の予告ナレーションが小林清志さんになりました。次元大介の声優さんです。
さて、そもそもモスラについて。
英語ではMothra。蛾を意味する英語のMothと母を意味する英語のMotherを掛け合わせたもの。つまり、本来の「蛾の怪獣」という意味のほか、「母性を象徴する怪獣」としてこの名称がつけられた。事実、モスラは出演する映画において必ず何かしらの守護神的存在として位置付けられ(『怪獣総進撃』を除く)、明確に悪役として描かれたことは一度もない。
引用:wikipedia
ゴジラはGodzilla=神の対として、モスラは蛾のMothとMotherをかけ合わせてるのは後付にしてもネーミングセンスや設定が上手く、ゴジラ抜きで単独作品としても映えるキャラだと思います(既に過去に単独作品はありますが)。
さて今作のゴジラVSモスラですが、ゴジラの影は薄いですw 存在意義すら疑問ですが、まあモスラが登場すると色々仕方ないですね…。
シナリオの流れは、モスラ対ゴジラと基本的に同じで、森林伐採など環境破壊を行っている営利第一主義の企業がモスラの卵やコスモス(小美人)を見世物にしようとし誘拐します。それを善意のある人間が取り返して人間と和解していくものです。
良かったところや見どころ
●モスラの映像美
モスラの孵化シーン。国会議事堂で繭を張り、成虫になる光景は美しく幻想的です。なお、モスラのデザインもリファインされました。
▲旧モスラ
出典:http://blogs.yahoo.co.jp/
●モスラ対ゴジラの現代版リファイン、OPのオマージュ
モスラ対ゴジラ、おそらく自分が一番最初に見たゴジラ映画です。それもあってかモスゴジには思い入れがあるんですよね。そんなモスゴジをオマージュしたOPです。というより、実際に過去の映像も使用したりしたそうです。
全体的にモスラ対ゴジラを現代風にリメイクしたような内容でもありますね。というより、どうしても大筋がそうなるんでしょうけど。
▲前作の小美人が今作ではコスモスとして登場。
ちなみに左の大沢さやかさんは栗田貫一さんと結婚。自分は大沢さやかさんが好みですw
モスラのBGMや歌はやっぱりいいですね。ちなみに当時日本語バージョンの歌も発売されていました。
●横浜みなとみらい21やランドマークタワーが登場
ゴジラシリーズには話題の名所が出てきますが、今作では横浜みなとみらい21、ランドマークタワーが決戦の舞台。キャッチコピーが「極彩色の大決戦」とのことで、より色どりが鮮やかになったモスラと横浜みなとみらいをバックにゴジラとの決戦が行われます。
▲横浜ベイブリッジを封鎖…というレベルじゃなくて破壊。
●モスラの必殺技追加
これまで大した攻撃を持っていなかったモスラでしたが、ついに新技を会得…!
▲ついにモスラも光線技を!…さらに…
▲鱗粉攻撃がパワーアップして、しかもゴジラの熱線さえも跳ね返すという鬼畜性能!
でも、モスラ対ゴジラを見てた人はなお分かると思いますが、鱗粉攻撃はモスゴジで成虫モスラの最後の攻撃で、今作でもコスモスが「モスラの最後の武器です」と言っていただけに「あぁ、捨て身の攻撃なのか…!」と目頭が熱くなった人もいるかと思います。しかし今作では結局その後もバトルが続き、結局モスラはピンピンでしたw 詐欺だw
▲バトラとの共闘
子供向けとしては、力を合わせてゴジラを倒す流れは良いですね。モスラの鱗粉にバトラの光線での二重攻撃。光の演出が良いですね。
◇俳優人が豪華
▲主役の別所哲也さんと小林聡美さん。
この一度別れた男女が、過去を振り返りながらも和解しつつ、お酒を酌み交わすシーン、好きです。
また、家族愛がテーマでもあるので、離婚した夫婦がよりを戻す展開もファミリー向けとして良いと思います。
▲宝田明さん、小林昭二さん、篠田三郎さん。
▲しかも黒部進さん。
ハヤタ隊員にムラマツキャップに東光太郎!ウルトラマンシリーズを見ていた人はたまりませんw
▲大竹まことさんと上田耕一さん(ゴジラシリーズ多数出演)。
他にも村田雄浩さん、田中好子さんも出演しています。
子役の現在
この子供役、今何してるんだろうと調べてみました。
米澤史織さんというそうです。
ドラマ世にも奇妙な物語や映画の学校の怪談など出演していたみたいですね。
▲大人になった今のプロフィール写真。可愛い。
出典:サンミュージックブレイン公式サイト
主人公、旦那のクソっぷりを刮目せよ
▲娘の養育費や元妻とやり直すためだからといって、丸友観光からコスモスを盗んで、それを100万ドルで売っ払おうとします。
▲ビルが倒壊しそうなとき、元妻や娘よりも真っ先にそのコスモスの身を一番にする旦那の図。
▲娘がコスモスに「パパにはもう悪いことにしないよう、よーく言って聞かせるから」。
娘にこんなこと言わせるなよw
小ネタや気になったところ
●どうやって卵を乗せたのか不明w
モスゴジでも同様なんですがw
●モスラの赤坂破壊、一件落着と思ったら街破壊
▲これには笑ってしまいました。
まあ、大型生物は暴れなくて、ただ闊歩するだけで街は破壊されるので仕方ないんですがw
▲そして「撃て」「撃ち方やめ」。何気にこの方、インパクト強いですw
●孵化したばかりなのに汚い
▲このカットだけモスラの白い部分が汚くなっています。
これはこのシーンだけ撮影がバトルの後になってしまったそうだからです。当時のムック本の記憶より。
●ナムコがCG協力していたので劇中にも登場
▲ナムコワンダーエッグ。
▲ワギャン(今の若い子は知ってるのかな)。
何気にテレビの価格がすごい。こんなテレビで55万8千円ですよw ワイドテレビ出たての頃でしたっけ?
●笑いながらの避難シーン
今までのシリーズでも、よく見るとエキストラが笑いながら走っていたりすることがあるんですよね…。子供だから仕方ないにせよ、エキストラといえど真剣にやってもらいたいものです。そう考えるとシン・ゴジラのエキストラ指導はすごいです。
●バトル最後はVSキングギドラと全く同じ展開
だから、口を塞げ、口を!w
●ラストシーン
▲小林聡美さんが肩を抱かれたときの演技がいいです。
▲「いなくなったモスラのこと、時々でいいから……思い出してください。」
●見えた
▲白
▲オレンジ
●そしてゴジラの見せ場はほとんどなし
▲見せ場が少ない中、BGM「メーサーマーチ」場面。怪獣総進撃のBGMのアレンジですね。
▲地味にこのシーンがカッコイイ。ゴジラ背中のアングルから、右から左へビルもろとも破壊。
総評・まとめ
ファミリー向け映画です。環境破壊や家族愛、勧善懲悪を謳っているので親子で見るのがオススメです。また、平成シリーズは全般的にオススメなのでシリーズとして見ておくのが良いと思います。
反面、子供に分かりやすい説明や怪獣を応援するのが微妙なのですが、そこは寛大な目で見るしかないですね…。
ちなみに何度も言ってしまってますが、モスラが出てくるシリーズだと、個人的には子供の頃に見たモスラ対ゴジラが大好きです。思い出補正もあるかもしれませんが、先日見ても面白かったです。また単独のモスラ(昭和版)も一見の価値ありです。こちらでは東京タワーに繭を張って成虫になります。
モスラは設定が素晴らしいキャラなので、今の技術やCGを使って現代版単独作品の「モスラ」を見てみたいものです。
次記事
→「ゴジラVSメカゴジラ」感想。命がテーマの今作。メカゴジラの強さとベビーゴジラの可愛らしさ、赤い熱線など見どころ多し。
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