「身の丈」発言で思ったこと。人生なんて不平等ゲーム

萩生田文科相発言の身の丈発言が問題になっていて、ふとこちらの記事を読んでみました。

丁寧に分かりやすく書かれていて納得です。
 

さて、問題とされている主題からはズレるかもしれませんが「教育における家庭経済力の観点」として個人的に思ったことを書いてみます。

まず、残念ながら家庭の経済格差によって有利不利、不平等が生まれるのが現実だと思います。
 

私の学生時代

私は新潟の田舎で生まれ、残念ながら両親は学も無く、子供を大学に進学させることも考えていなかったと思います。

父は昔から英語のローマ字読みができなく、何かあると直情的で口より手が出るタイプで、口論になるとすぐ殴られたこともありました。
ボクシングを習っていたとも言っていて、それでまして息子の顔面をグーで殴るなと思いますが…。

何かあるとすぐ怒って会話は成立せずに殴られるので、そういう父を子供ながらに見ていて私は反面教師にしていましたね…。
ちなみに母は子供の頃は上京して漫画家になりたかったそうですが、時代や家柄もあったそうで反対されて断念したようでした。
 

そういった家庭ということもあり、私は学生時代に大学進学という発想もありませんでした。
(親は高校卒業後に地元でそのまま就職すると思っていたのでしょうし、田舎なので周りもそういう生徒が多かったです。)

私は好きなことを仕事にしたいと東京の専門学校で上京しました。
しかし東京の専門学校に通いつつ、一人暮らしする費用までは親が捻出できなかったので、私は新聞奨学生制度を利用して学校と学業の両立を行っていました。

新聞奨学生はなんぞや?など具体的な記事はこちらをご覧ください。

奨学金の返済がいらない新聞奨学生制度を知っていますか?経験者が語るその実態#1

一度目の新聞奨学生時代の途中、周りの受験生の影響もあって私も大学に行きたいと思い、一時期予備校に通ったりもしましたが、私には新聞奨学生をしつつ予備校で受験勉強、その後、仮に合格したとしてもまた4年間また継続して新聞奨学生を続けるという未来に絶望して大学進学は諦めたのでした。
 

親に教育投資の知識があり、裕福な家であれば子供に良い大学に行かせようとするでしょうが、そうでない親や家庭によっては目先の生活で目いっぱいでそれすらままならないのが現実です。
 

マネー・イズ・パワー

出典:https://nijimen.net/topics/14561
 

社会人の方は働いてお金を稼ぐ大変さを知っているので、お金がこの世で残酷で不条理な程に重要だと実感していると思います。

裕福な家に生まれたらそれだけで人生優位であり、スタート地点が違うわけです。
住む場所も都市圏に近いのも有利な状況ですよね。
 

そのスタート時点で人生不平等ゲームが始まっているわけで、裕福な家庭は優位です。

もちろん中には努力や才能で逆境を覆す人もいますが、そういった人が全てではありません。

身の丈発言を擁護するつもりはありませんが、自分は新潟の田舎で生まれた環境を思い返すと、身の丈発言は真理じゃないですが一理あると思ってしまいます。皆さんも本当は人生不平等だと分かっているはずじゃないでしょうか(大臣がそんなこと言うなというのもありますが)。

…まあ、今の日本社会を見ていると格差も広がっていますし、政治家はもはや人生の勝ち組で地位もお金も持っていて庶民の気持ちは分からないでしょうから期待は望み薄いでしょうし、この問題以外にも今の日本社会は色々立て直しが難しいと個人的に感じていますが…。自分の利益と保身を第一に考えている政治家が多いように感じます。
 

人生というゲーム

出典:https://www.youtube.com/watch?v=B-oIPSWEtiQ
 

正直、私も家庭が裕福で親に学があり、自分も普通に大学に通えたら人生変わっていたかもしれないと悔しい思いを何度も感じたりしていますが、それを嘆いても仕方ありません。それでも自分の人生なので自分で切り拓いていくしかないわけです。

世の中のしくみは中学高校くらいの学生はまだ分からないと思いますが、成人くらい、働くとそこそこ分かってくると思います。
まして、今ならインターネットで情報も手に入りやすい時代です。

逆説的になりますが、自分の人生を「身の丈に合ったもの」としてそれ相応に生きるか、それとも自分の可能性を信じてやりたいことをリスクを取ってでも行動するか、それは自分で選ぶ権利があると思います。

こんなことを言うと小中高大→新卒採用からのレールを踏み外す人生はあり得ないという人からクレームが来そうですが、大学も大人になってから通う人だっているわけで、人生どうなるか、どうするかは自分の意志と行動にもよるわけです。もちろんそれが成功するか失敗するかは分かりませんが、それこそが人生なのだと思います。

もちろん子供にちゃんとした教育をさせ、良い大学、良い会社に入れさせるのが一番と考える親御さんが多いでしょうけど、私みたいなレール外や底辺を辿って人生歩んできたはじきものみたいな人間からすると、それだけが人生じゃないと思ってしまうのです。
 

最後に

出典:https://www.youtube.com/watch?v=PzrtM5DKdCI
▲ゲーム「天外魔境II」より「運命なんてクソっくらえだ」
 

身の丈発言を擁護するつもりはありませんし、教育は万人が平等に受けられるべきです。

しかしそれでも現実として人生は不平等で、どうしても家庭環境によってできないこともあるでしょう。

人生生まれた時点で、既に有利不利の差がついている状態でゲームがスタートするのですから。

でも、だからこそ、その不平等な現実を「どう自分が生きていくか」が重要ではないかと思っています。

雑記

Posted by オグヘイ