オグヘイのチラシの裏

奨学金返済がいらない新聞奨学生制度を知っていますか?経験者が語るそのメリット・デメリットとその実態#2


 

その1からの続いて新聞奨学生のデメリットになります。
 

新聞奨学生のデメリット

睡眠時間


 

本人の生活サイクルや販売店によって変わってきますが、基本的に朝3時頃に起きる必要があります。


 

一般的に睡眠時間は6~8時間は必要と言われている中で、朝3時に起きる必要があるなら何時に寝る必要があると思われるでしょうか?

6時間睡眠だとしても21時には寝ないといけません。

となると、夕刊を終えて夜食を取った1、2時間後です。

その中で勉強やシャワー、ちょっとくつろぐ時間、趣味や友人との交流の時間がどれだけあるのでしょうか…。

なので、必然的に睡眠時間を削らないと時間を作るのが厳しくなります。

私は22~23時頃寝て3時頃起きる習慣でした。
つまり毎日4~5時間睡眠です。

そうしないと帰ってから課題の勉強もする時間もありませんでした。
正直、毎日眠たかったですし、睡眠時間が減ると人間って思考力やメンタル力などが落ちるんですよね。

私は二度目の新聞奨学生時はなんとか学業との両立を全うし、卒業・就職できましたが、本当に精神的にボロボロの状態でした…。
どれくらい酷かったかというと、今思うと鬱になってたんじゃないかと思いますし、マンションで新聞を配ってるとき、このままマンションから飛び降りて自殺しようと思ったこともあったくらいです。

その原因は睡眠時間の少なさだけではなく、人間関係だったり、特に新聞販売店での独特な狭い世界に閉じ込められている閉塞感や孤独感、学校で新聞奨学生の辛さを理解できる仲間がいなかったこともあります。
 

ということで、睡眠時間は慢性的に少ないため、学校に行かずに朝刊配達後に寝て、夕刊時に起きる学生や社員も多かったです。

新聞奨学生で学校に来ずに日中寝てる生徒はすごく多いんですよ…。
 

新聞配達の業務の実態


 

朝早いので眠いとは書きましたが、それ以外を書いていきます。
 

新聞を配る部数は朝刊では300部前後でした。
それを約3時間程で配達することになります。
(夕刊は部数も少ないので配達時間は2時間程だったと思います。)
 


出典:https://ameblo.jp/

写真のように前後に結構な量の新聞を積むので重いので慣れが必要です。
慣れないうちは転んでしまったり、それが雨の日で新聞を道路に巻き散らして濡らすこともありがちで絶望の一言です…。

ちなみに原付バイクでの配達が多く、都内でも更にビル街や免許を持っていない人は自転車になるようです。
 

まず最初は毎朝早く起き、そして順路やコツを覚えるまでが苦労すると思います。

順路は最初はその区域を担当している先輩の後を付いていったり、順路帖と呼ばれるメモ帖みたいのものに配る順路を書き込んだり見たりしていきます。
ですが、順路帖ばかり見ていては時間通りに配達が終わらないので、必然的に順路を頭で覚える必要があります。

しかし、ヒューマンスキルに依存する部分が大きく、人間のすることですから新聞の入れ忘れもあったりするわけです。

届かなかった新聞は「不着」と呼ばれ、お客さんから電話などで連絡があったら届けにいかないとなりません。
それは学校に行く寸前でもです。
(この辺りは職場や社員などによって融通効かせてくれるかもしれませんが…。)

学校に行っている間に不着の連絡があった場合は、社員の人が代わりに届けてくれたりしますが、販売店によっては不着による罰金もあったり、不着も多いと「いわゆる仕事ができない」わけなので人間関係にも影響してくるわけです。

代わりに届けてくれるのも「仕事だから」というのもありますが、基本的にその区域を担当している当事者の代わりにしてくれるものなので、心象や気分としては良いものではありませんよね。

なので、不着は無くしていきましょう。
 

また、冬の寒い日や、雨や台風、大雪の日も新聞を配らなければいけません。
梅雨の時期も毎日雨が降ると大変ですね…。
こういった天候の不順時は通常時よりも体力と時間を使います。

冬は寒いですし、更に雨が降ると凍えるように寒いです。
指がかじかみます。

私は冷え性で新潟にいる子供のときは毎年しもやけになっていました。

東京は新潟に比べると気温も高いのでしもやけにならなくなったのですが、新聞配達で冬に雨が連夜降っていたときはしもやけになった程です。
 

雨が降った場合、新聞を濡らさないようにしなくてはいけないので神経を使います。

販売店によっては新聞を濡らさないようにビニール袋に包む機械があったりしたのですが、いかんせんかさばるため、濡らしてはいけない家についてのみ、そのように行っていました。

このビニール袋に包む機械の導入も販売店によって違いがあって、中には用意されていないところもありました。
 

更に配達する原付バイクが路面凍結で動かなかったりして時間をロスするのもありますし、それよりもかなり人命として危険です。

路面凍結時、車に轢かれそうなときもありましたね…。
 


出典:https://bunbunmarumaru.blog.so-net.ne.jp/

大雪の日も大変でした。
都内でも数十年に一度起きる大雪の日を体験したんですよね。

やはり原付バイクでまともに進めないので危険ですし、時間のロスに繋がります。

確か昼の11時頃終わったような記憶があります。
バイクで進めないところは、もうタスキを担いで歩いて配っていました。

めちゃくちゃ大変でしたね…。
 

なお、休みについては、だいたい
・集金ありコース→4週6日
・集金なしコース→4週4日
でした。

まあ、普通の仕事に比べると休みは少ないと思います。
日曜祝日は夕刊自体が無いので、夕刊の配達は休みになります。

この辺りの休みもお店によって差があり、確か祝日での夕刊配達の無い日を自分の休みとしてカウントするお店もあったりしました…。
 

もし体調を崩した場合もよっぽどじゃないと休めない状態でした。
代わりに誰かが配達しないといけないわけなので。

もちろん休んだら自分の数少ない貴重な休みが減ります。

なので、体調管理も非常に重要です。
幸い私は身体が丈夫な方だったのか、体調を崩したことはほとんど無かったように思います。
 

元日は、新聞社自体が元日特集としてページ数を倍増していたり、折り込みチラシも多いため、新聞1部の厚みがすごいことになります。
普通は新聞を四つ折りできますが、元日では縦に二つ折りできるくらいです。

厚みが増えるため、原付バイクや自転車に乗せる新聞の部数も減ります。
通常は配達区域の途中で、補充用の新聞を束で置いておいてくれるのですが、元日ではその中継ポイントも多くなります。
元日は大変なので全員出勤になるわけです。
 

途中で新聞奨学生を退会できない

色々書いてきましたが、ともかく新聞配達業務と学業の両立は非常に厳しいです。

私の周りでちゃんと学業と両立し、卒業、就職できた人は10人に1人くらいの割合でしょうか…。
それほどまでに過酷でした。
 

なので、途中で辞めたい人も多いわけなのですが、辞める際は学費を新聞社に一括返還となります。

しかし、そもそも学費を払えないから新聞奨学生を利用しているわけなので、一括で払えるわけがありません。

なので、学校に行かなくとも契約期間(学校の年数)の2~4年は新聞配達を行わないといけません。

逆にこうした弱みを利用して、新聞奨学生に過酷な労働を強いる販売店もあるわけなのです。

これはいわば現代の奴隷制度に近いのが実態です。
 

総評・まとめ

こちら、以前私が描いた四コマ漫画の一つなのですが、実話です。
 

こちらは某新聞社での某販売店だったのですが、あまりに酷かったです。

販売店は夫婦息子での家族経営で行っていたようで、やはりその人柄や経営状態も起因していたと思います。

例えば
・通常は奨学生は一部屋一人住まわせることになっているが、一部屋二人で住まわせたりしていた
・雨の日にビニールで新聞を包む機械がなかった
→初めて新聞配達を行った店で、経験不足もあるため、もうその雨の日は辛く、泣きながらヤケになってずぶ濡れになった新聞を投函していましたね…。
そんな新聞を投函された家の方々スミマセン…。

まあこれも本当に辛かったです。
 

さてまとめになりますが、正直、新聞奨学生制度を利用することはオススメできません。

しかし、それでもなお、家計が厳しかったり、親御さんが上京や学費を出すのに反対し、どうしても今高校生のあなたが自分の力でなんとかしたい!と思った場合、こうした最終手段もあることを知っていただけたら…と思います。

何度も言いますが、想像以上に過酷で、周りに流されない強い意志やメンタル、体力と根性が必要です。

私の経験では10人に1人くらいしか成功できていなかったのが実状でした。

中には浪人生で新聞奨学生を行っており、元々頭が良いのか某W大学に合格したり、確か東大の受験勉強を行っている人もいたりしましたが…。
 

ただ、今は昔と違いブラック企業で労働問題が世間で取り沙汰されていたり、インターネットも発達してSNSなどで情報交換もしやすくなっているので、その点を活かしていくと良いと思います。
SNSで仲間も作りやすいでしょうし。

ただ、逆に新聞の売上が減っている時代でもあるのでどうなんでしょうかね…。
売上の厳しさが販売店に影響し、それが奨学生にも影響すると思うので…。
 

そういえば朝3時からといった暗い時間に配達することになるので、女性の場合ですと痴漢などの被害に遭う可能性もあります。
私が在籍していた販売店の奨学生の女の子が被害に遭い、防犯ブザーを渡されていました…。
 

正直オススメはできないのですが、それでも少なからず成功している人がいるのも事実です。

劣悪な環境でもチャンスを掴めるかどうかはあなた次第なのです。
(もちろん配属される販売店の運もありますが。)

新聞奨学生をするかしないかという選択も、自分の人生なので自分に責任を持って選択してほしいと思います。
 

もし、この記事を読んでいる現在悩みがある新聞奨学生、これからの進路で悩んでいる学生、学費の捻出で困っている親御さんなどいましたら、私で良かったらお返事したいと思いますのでご連絡いただけたらと思います。

また、こちらの新聞奨学生SOSネットワークというサイトもありますので、ご覧になったりご相談されるのも手かと思います。
 

私の当時の体験記も書きましたので良かったらこちらもどうぞ。

横山 真
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