アニゴジことアニメ映画「GODZILLA 怪獣惑星」、初日に観に行ってきました。
自分は昭和シリーズからゴジラ見ていて、特に平成シリーズやシン・ゴジラが大好きです。
で、申し訳ないんですが、正直アニゴジに関しては公開前の期待値が低く、
・ゴジラだから
・ネタバレをくらいたくない
といった理由で初日に観に行ってきたのでした。
その期待値もあってか、あまり予備知識など調べない状態でしたね。
今作は小説版が先行して発売されているようですが、そういったこともあって自分は読んでいないんですよね。内容はどこまで映画と関連性があるのか分かりませんが、気になる人は読むと良いと思います。
本予告
あらすじ
●忙しい人のために3行で
数多くの怪獣が現れ、特にゴジラによって人類が絶滅の危機に。
宇宙人と共にゴジラ討伐を試みるが、歯が立たず敗走、宇宙に脱出。
宇宙船生活も食糧やストレス、自殺問題などのため、2万年経ったゴジラがいる地球に戻ることに。
時代設定、世界観はSFですね。
そういえば劇中の設定描写でゴジラ以外の怪獣も一瞬だけシルエット調で出てきました。
ビオランテ(植物)、ドゴラ、デストロイア(?)っぽいのは見えました(うろ覚え)。
※追記:どうやらビオランテ→カマキラス、デストロイアは違う怪獣らしい
●公式あらすじ
正規あらすじをを読みたい方はこちら。
二十世紀最後の夏。その日人類は、地球という惑星の支配者が自分達だけではないと知った―――。
巨大生物「怪獣」の出現と、その怪獣をも駆逐する究極の存在「ゴジラ」。半世紀にわたる怪獣との戦争の末、人類は敗走を重ね、ついに地球脱出を計画。そして2048年、中央政府管理下の人工知能による選別を受けた人間だけが恒星間移民船・アラトラム号で11.9光年の彼方にある「くじら座タウ星e」を目指し旅立った。しかし、20年かけてたどり着いたタウ星eの地球との環境条件差は、予測値を遥かに上回り、人類が生存可能な環境と呼べるものではなかった。
移民船に乗る一人の青年・ハルオ。4歳の時に目の前でゴジラに両親を殺され、20年の間、地球に戻りゴジラを倒すことだけを考え続けていた。移民の可能性を閉ざされ、生存環境も劣悪となった船内でハルオを中心とした「地球帰還派」は主流となり、危険な長距離亜空間航行を決断し地球を目指す。
だが、帰還した地球は、既に二万年の歳月が経過し、地上はゴジラを頂点とした生態系による未知の世界となっていた。
果たして人類は地球を取り戻せるのか。そして、ハルオの運命は―――。
地球を離れた人類が他の生物に支配されている地球に再度戻るくだりや、サブタイトルからすると猿の惑星をリスペクトしているとも感じられますが…どうでしょうかね。
で、感想です
自分は昭和時代のゴジラから見ていますが、ゴジラとはかくあるべき! というのは老害の見方だなとつくづく自戒を込めて思いましたねw
正直、個人的感想としてはあまり面白いと感じていないのですが、今作は全くの新しいゴジラであり往年ファンは新たな視点を持って見ないと楽しめないだろうなぁと思いました。
というのは、今作はアニメやSF好き、若い世代向けのゴジラと感じたからです。
それらについては後述しますが、それでもこの記事は自分のような往年ファンが今作にどのような感想を持ったか、と思って読んでもらえたらと思います。
また、今作は3部作の中での1作目です。
3部作の序章ということもあって設定説明や前哨戦で終わっている感じで、面白くなるのは次回以降かなと思いました。
全編観ないと評価しづらい部分もありますが、あくまで1作目観ただけの感想としては「ちょっと微妙。ワクワクしない」といったところでしょうか…。
●序盤~中盤は退屈
序盤~中盤までは人物の説明描写が多いんですが、そこにテンポの悪さを感じました。
まあ、シン・ゴジラのテンポが異常に良過ぎたというのもあるんですけどねw
比べるのも良くないですが、ゴジラシリーズの前作にあたってしまうので、どうしても比べてしまうのは致し方ないと思います…。
そしてその中盤まではほとんどゴジラが出てこないのもあって余計に退屈に感じる部分も…。
やはりゴジラが見たいというのはあります。
また、更に拍車をかけて、人間ドラマパートは難しい言葉使い、専門用語、カタカナ、固有名詞ばかりのオンパレードです。
そういった中二病的な部分は昔の自分は好きだったと思いますが、オッサンになった今としては拒否反応がありましたねw
でもこの辺りは好みの問題で、逆に中高生や若い世代、意識高い系の人からするとまた捉え方が違うかもしれません。
ただ個人的に人間ドラマは、別に難しい言葉を使わず万人に分かるような地に足が着いた、年配の人でも楽しめるような普遍的なものを見たいなぁと思っていますがw
●中盤以後、ゴジラが出てきてから
中盤以後はゴジラが出てきて面白くなってきました。
やはりゴジラが出てきてナンボというのもありますし、ゴジラの圧倒的な強さや恐怖を感じさせられましたね。
でも、圧倒的な強さの巨大不明生物と戦う展開、どこかで見たことあるなぁと思ったのですが、あぁ、進撃の巨人でした。
そういった既視感もあって、今作ならではの新しさ、未知の体験、ドキドキワクワク感はちょっと感じなかったんですよねぇ。
●未来を見据えた展開とゴジラの必然性とは
先の中二病的表現で思ったんですが、そもそもが
・アニメという媒体
・声優も若い世代に人気の布陣
だったりと、これまでのゴジラとはターゲット層が明らかに違うと思いました。
声優陣は男キャラだと、宮野真守さん、杉田智和さん、梶裕貴さん、小野大輔さん、櫻井孝宏さん、諏訪部順一さん、中井和哉さんら。
…もうこのあたりのメンツは普段アニメ見ている人ならば言うまでもないですねw
特に女性に人気の声優さんたちです。
紅一点ヒロインは花澤香菜さん。
こちらも人気の声優さんです。
宮野さんと花澤さんの組み合わせか…これも運命石(シュタインズゲート)の選択か…。
…ゲフンゲフン……ともあれ、こうしたアニメ媒体、人気声優陣ということも考えると、明らかにこれまでのゴジラと狙いが違うのが分かります。
この辺りは世の中の業界や作品に言えますが、未来を考えたときに新規や若い世代が育つ土壌が大事だと思っています。
若い世代が育たないと、結局その業界や作品は先細りしていくことになり、結果、売上も出なくなって新作も作れなくなってしまうからです。
つまりマニアだけ内輪で楽しんでいるのはよろしくないと個人的に思っています。
そういった広い視点で考えてみると、今作のゴジラは将来に向けて新しいファン層の取り込みとして良かったのかなと思いました。
…ただ、まあ、これは冷静、客観的な見方であって、じゃあおまえのこの作品の個人的感想はどうなの? と聞かれると…それはさっきのように、うーん、微妙でした…というところなんですが^^;
一応、昔からのゴジラ好きとして気になっているのは「そもそもゴジラである必要性はどこにあるのか」という部分でしょうか。
そもそもゴジラの映画は元々反核などのテーマがあるのですが、今作はどうなんだろうと思っていて、そこをちゃんと見たいと思っています。
まあ、今作ではゴジラによる放射能の影響で生態系、動植物が影響を受けているという描写がありましたし、まだ1作目でゴジラの正体も明らかになっていないので、ココは今後に期待したいところでしょうか。
他、色々書いていきます
●印象的な部分
・主人公のやたらゴジラへの恨み
ゴジラに両親を殺されたからというのもありますが、ゴジラへの恨みがちょっとうざく感じる程でしたw
ゴジラへの憎悪は自分はあまり感情移入ができずにちょっと引いてしまいましたが^^;
作戦とかも独断的な部分が強いんですが、この辺りはアニメと割り切って観るしかないんでしょうね(シンゴジがリアリティ過ぎたというがあるんですがw)。
・ゴジラの圧倒的強さ、巨大さ
これは良く表現されているなぁと感じました。
王道展開ですが、ラストでようやくゴジラを倒したと思ったら、超ド級の真のゴジラが出てきて絶望的になるのは良かったですね。
●映像に関して
今作はキャラ含めて全て3DCGということで、人物の顔の表情はちょっと硬く見えてしまい、感情をあまり感じられませんでしたね…。
でもその無機質感が狙いなのかなぁ。
ゴジラはデザインや重厚感、無機質感が良かったです。
で、そのゴジラの熱線は、シンゴジのような熱焔でいわゆるビーム、レーザーでした。
熱焔を吐く前は背びれがパルス、電磁波のようなエフェクトが出ます。
これは新しくて面白かったですね。
●BGM
作曲は服部隆之さんです。
過去ゴジラシリーズではスペースゴジラとミレニアムでの作曲を担当されていました。
これまで数多くの映画やテレビなどでの作曲をしていて素晴らしい曲を作られています。
最近では真田丸や半沢直樹などなど印象的な音楽でしたね。
ただ、個人的にスペゴジとミレゴジの事例を考えると、ゴジラシリーズの音楽は合うのかなぁと不安でしたが、重厚感のあるBGMで作品に合っていたと思います。
しかしながら、キャッチー、印象に残るBGMが無かったのが気になります。
敢えてBGM(バックグラウンドミュージック)として音楽は主張しない作りにしたかもしれませんが…。
名作と言われる作品は印象に残るBGMがあると言いますが、今作はそれを感じなかったのが気がかりなんですよね。
作品を見返したりすればまた印象変わるかな…?
今後の予想と希望
出典:https://www.cinematoday.jp/
ラスト、エンドロール後に次回作の予告が出ます。
見れば分かりますがメカゴジラでしょうねw
2作目は2018年5月公開だそうです。
実際、本編でも「メカゴジラが完成すれば」…的なシーンがありましたが、地球で生き残っていた人類が対ゴジラ型決戦兵器を建造していたという展開でしょうか。
まあ、ちょっと考えればSF作品なのでメカゴジラというのは確かに人が対抗しうる兵器として出してくるのは鉄板な展開ですよねw
また、虚淵玄さんが脚本されているとのことで、今後の展開では予想外な面白い展開があることを期待したいですね。
今作のゴジラはまだ正体不明ですが、実はその正体は人間だったというオチは勘弁ですがw
また、メカゴジラ登場について感じたのは、最悪な予想をしてしまうと、ゴジラシリーズの設定や名前だけを使った表層的な作品になるのは勘弁と思いたいです。
よく色んな作品で原点回帰、新しい血を採り入れたリメイク・続編の作品があったりしますが、残念ながら名前や設定といった上辺だけ使って、肝心の根本的テーマや核となる部分はないがしろにされているものがあるので、そうはなってほしくないのが願いです。
新しいゴジラでしょうけど、それでも反核や放射能など「ゴジラである必要性、テーマ」といった核たる部分は抑えておいてほしいなぁと思います。
劇場でのオマケ配布
昔のゴジラ映画でよくあったオマケ配布。
アニゴジケシとあるのでケシゴムか。
今こういったものは逆に珍しいですねw
イエローでした。
総評・まとめ
出典:https://www.cinematoday.jp/
点数を付けるなら、100点満点中40点くらいでしょうか。
結局まだ1作目なので分からない部分もあり、続編次第で今作の評価も変わってくる部分もあることがズルいというかなんというかwww
ただ、あくまで今作単体で見ると40点くらいという感じで、正直ちょっと微妙です。
何度もシンゴジと比べて恐縮ですが、シンゴジを初めて見たときの衝撃や面白さ、これやばい! その週で3回観に行ったほどの熱量と盛り上がりと比べるとかなりの差があるのが実状です。
また、自分はレイトショーで1300円で観てきました。
もし通常の劇場価格1800円で観に行っていたら、ちょっとお高いなーと感じてしまいますね。
結局作品の満足度の問題ですが。
●公開初日の舞台挨拶の記事を読んで
…と、手厳しい感想になってしまいましたが、映画を観に行った後で、公開初日の舞台挨拶の記事を見つけたので読んでみました。
この記事を読むと、監督はゴジラについてはほとんど知らない方のようで、だからこそ逆に新しいゴジラ、新しい血を入れようとしているのが分かります。
マニアの、マニアによる、マニアのための作品ばかり作っていては結局先細りしてしまいますからね。
新しい血を採り入れ、新しい作品作りへの姿勢や挑戦は大事です。
他、確かに実写のシン・ゴジラがあったからこそ、アニゴジは色々意欲的に挑戦できたんだろうなぁと感じました。
とは言え、結局のところ、今作はアニメやSFが好き、出演声優が大好き、という人は楽しめると感じました。
自分みたいな往年のゴジラ好きからすると、現状まだ微妙といったところでしょうか。
続編次第で今作の評価も変わるかもしれませんけどね。
でも、ゴジラシリーズはこれまでも色んな作風のゴジラ作品があり、観る人それぞれ好きなゴジラがあるのは良いことだと思いますね。
…まあ、とりあえず続編を観てみないと…何も言えないと思いましたw
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