【アニメ】「映画 聲の形」感想。テーマは”聴覚障害”では無く、主人公を取り巻く人と人のコミュニケーションだった
出典:http://koenokatachi-movie.com/
「映画 聲の形」、BD版で初視聴しました。
まず、どうでもいいことかもしれないですが、正式タイトルは「映画 聲の形」と”映画”が付くんですね。漫画との区別化なのかな。
で、自分の予備知識は、昔マガジンでの読み切りを読みました。
当時、「この漫画がすごい!」だったか何かで話題だったので、久しくそのためだけにマガジン買って読んでみたほどでした。
その後の連載されていたようですが、そちらは読んでいません。
さて感想です。
一度しか視聴していないのでうろ覚えな部分もあると思うのでご了承を。
長い。体感的にも長く感じた
上映は129分だそうです。
ボリュームもどうやら連載7巻分らしいですね。
ただ、体感的に2時間30分以上にくらいに感じました…。
なまじ自分は読み切りのイメージ(小学時代から高校→手話覚えて再会まで)があったので、その後一体いつまでどこまで続くのか、不安になってしまいましたね…^^;
後半テーマがぼやけているように感じた
読み切りの自分の思い込みもあったのですが、この作品のテーマは聴覚障害では無かったですね。
聴覚障害者のヒロインの登場による主人公やその周りの、人と人とのディスコミュニケーションだったのかと思いました。
しかし、後半は他の登場人物についても色々描かれるようになるのですが、それへの気付きや自分の理解が遅かったせいなのか、それとも元々の作品の描写のせいなのか、後半はキャラクターの心理描写に追い付けず、テーマがぼやけている、何を言いたいか分からなく感じてしまいました。
いや、観ていて何を言いたいかは頭では分かるんですよw
コミュニケーションの話だと。
ただ、感情的に追い付けない感じでした。
他レビューをちらっと見てみると、他にも後半の登場人物の心理描写に追い付けない人もいるようで、原作で補完しないと理解しづらい部分もあるようですね。
理解できない部分は何回も観たり、原作で補完すれば分かるんでしょうけど、とりあえず一度視聴しての感想なのでご了承を…。
絵はキレイ。しかし…
さすが京アニでした。
キャラの顔も京アニという感じでしたね。
ただ、話自体はシリアスでリアリティもあるような内容なので、その中で京アニの絵柄が自分には違和感があったのでした。
普段の萌え系アニメのイメージだからでしょうか^^;
まあ、これは個人的な部分なので大したことじゃないんですけどねw
登場人物の違和感とゲスの良さ
これは原作からで、小学時時代などは悲痛ないじめなどのリアリティある描写だけど、高校時代になるとステレオタイプな二次元キャラが出てきて違和感がありました。
ヒロインの妹の結絃や友人の永束クンの存在がそうです。
悲痛な重い話の中でのギャグや清涼剤的なポジションだったんでしょうけど、どうにも違和感が…。
いや、その2人は好きなキャラなんですけどね!w
反面、植野直花、川井みき、真柴智の3名がリアリティがあってそれは良いと思いつつも、個人的に「ああ、自分はコイツら嫌い!」と思ったほどでしたw
植野直花は観れば分かるように、嫌いというのは分かりやすいキャラですね。
説明する必要もないかと思いますw
なお、ヒロインと植野直花の関係性は、ラストでヒロインが障害持ちだから特別扱いじゃなく、バカを言い合える普通のくだけた仲になったように見えたのが良かったです。
(ただ、ココも観ていて、”頭ではそう理解できた”んですが、何故そうなるのか、感情的に理解が追い付かなかったのですが…)
川井みきは、一見優等生に見えるが、実際は被害妄想的な自分大好き、いざとなると他人悪者にしても自分だけ助かろうというゲスいキャラで「ああ、現実にこういう女性いるよなぁ」…という感じでした。
真柴智については、正直心理描写が追い付かず理解できないキャラだったのですが、そこがまた気持ち悪く、そしてイケメンで不敵な笑みを感じられ、何故主人公に近づくのかが裏があるように感じて最後まで気持ち悪かったですね。
ここで面白いのが、ステレオタイプな2キャラに違和感あると言いつつ自分は好きなのに、リアリティある3キャラは嫌いなことでしたw
これは作品として観ると、それだけ後者3キャラは生々しい現実的なキャラが描かれているということなんでしょうね。
“作品だから”の世界
以前から言われていることだけど、“ヒロインが美少女だから成立するお話”でもあり、もし可愛くなかったらどうなんでしょうかね…。
また、自分は彼女と一緒にこの映画を見て、視聴後に感想を交わしたのですが、彼女は「ヒロインが良い子だから成立する。現実にはいじめていた奴の顔なんてもう二度と見たくないものだ」と言っていました。
ああ、その通り…。
まして、いじめていた相手と本当に恋愛が成立するのか?と不可解な感じもしてしまいました。
まあ、ここはリアルに考える部分じゃなく、創作物として観れば良いポイントなのですが、聴覚障害という重く、社会性やリアリティがあるテーマだからこそ、モヤモヤしてしまう自分がいるのでした。
他良かったところ
主人公が心を開いていない相手への顔のバツ印が良かったです。
映像作品だからこそできる演出で、主人公の心情やその見えている世界に共感できました。
総評・まとめ
ちょっとネガティブな感想が多かったですが、総じて良い作品だったと思います。
観る人の年齢、環境、立場(いじめる側・いじめられる側・傍観者)、経験によって感想や思い入れが変わってきそうな作品でした。
個人的には作品として幾つか気になる部分を書きましたけど、コミュニケーションを描いた作品として、特に中高生で友人、クラスメイト、異性、恋人などで悩んでいたら特に共感性があって楽しめるような気がしました。
うん、中高生にオススメだと思います、この作品は。
ただ、重い作品なので気楽に観られる作品じゃなくて、結構エネルギー使う作品ですねw
ロングPV
個人的な余談
家のBDレコーダー、故障してBDが再生できなくなっているんですよね。
単に一人で見るならPCで観れば良いんだけど、人と見るときは大画面のテレビで観たいものですよねw
だけどうっかりBDレコーダー故障を忘れていて借りてしまったのでした…。
そこでどうしようかと考えたり意見をもらった末、PCをテレビにHDMI接続して視聴しました。
それで問題はなかった…ハズなのですが、最初接続して再生してみたときは何故か映像の音が出なかったんですよね。
PCの普通の音は鳴るのに。
あれれ?と思って、他のBD作品などを試しに再生してみるとそれも音は出る。
そこで、まさか聴覚障害がテーマの作品なので、本編も聴覚障害の視点に立った音無しの世界なのか!?と思っちゃいましたがw
声優起用しつつの無音映像作品、いやいや前衛的すぎるだろwww
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