【ドラマ】「逃げるは恥だが役に立つ」最終回感想。夫婦の描き方と個性の受け入れが役に立つ。
はじめに
リアルタイムで見ました。
良かったです。
最終回はちょっと詰め込み過ぎで展開が早く、もう1話あれば良かった気がするのですが、そればかりは仕方ないですねw
視聴率も20%超えだったようですごいです。
みくりと平匡
みくりは青空市ボランティアと結婚のモヤモヤは似てるということで平匡に話をします。
要約すると、
主婦の労働の対価で見え来てたものがある
930円が横浜市の最低労働賃金
930円なら厳しいが2000円なら耐えられる
+
雇用主の評価(愛情)
ただ、雇用主の気紛れ次第
普通の会社なら人事異動や評価の客観的システムがある
(ツッコミ入れると、世の中そんな適正な人事評価がある会社ばかりじゃないですよw)
しかし夫婦は1対1
夫が評価しないと妻は誰からも評価されない
従業員として不安
対して平匡は、
そもそも雇用主と従業員の関係なのか
主婦も共同経営責任者でないのか
と言って、真田丸パロディで共同経営責任者会議が開かれますw
毎回パロディネタありましたが、真田丸を持ってくるのがぶっ込み過ぎw
しかもBGMまでw
思ったのが、感情的になってただ言い合うだけではなく、こうしてお互い冷静に話し合い、PDCAを回していくことは大事ですよね。
ただ、3回目ではみくりが自身の呪縛から感情的になってしまい、
小賢しい
自分が嫌い
自尊感情が低いのは自分
平匡が好きなのはお米ひとつで怒る女じゃない
選んでほしい
認めてほしい
なりたい自分から遠ざかる
話の方向性がズレていきます。
素直にプロポーズを喜んでくれる女性がいい
それが普通
面倒を背負う必要はない
と、風呂場でライターの仕事をして閉じ籠ってしまいます。
平匡はその閉じた扉は自分と同じ。だから開け方を知っている。
かつて、みくりが平匡にそうしてくれたように、今度は平匡がみくりに歩み寄ります。
「面倒を避けて避けて息をするのも面倒で死に近づく。
生きていくのはめんどくさいんです。
それは一人でも二人でも同じで、それぞれ別のめんどくさがあって、
どっちにしてもめんどくさいんだったら、一緒にいるのも手じゃないでしょうか。
話し合ったり、無理なときは時間を置いたり、だましだましでも、なんとかやっていけないでしょうか。
やってやれないことはないんじゃないでしょうか。
みくりさんは自分のことを普通じゃないと言ったけけど、僕からしたら今さらです。
とっくに知ってました。
大したことじゃありません。
世間の常識からすれば僕たちは最初から普通じゃなかった。
今更ですよ。」
…平匡、成長しましたねー><
バックに流れる恋のオーケストラBGMも良く、名シーンですね。
そうです、そもそも普通じゃないから二人は契約結婚生活をしていたわけですw
みくり
(上手くいかないとき、間ってくれる人、信じてくれる人、見失っちゃいけない、立て直そう、ゆっくりでも)
そして青空市。
「派遣のとき色々提案、しかしうざがられて切られる
小賢しい
でも、青空市からは喜ばれる
小賢しいからできる仕事があるのかも」
「小賢しいとは、相手を下に見て言うことですよね
僕はみくりさんを小賢しいと思ったことは一度もありません」
▲ガッキーの身長が気になるw
その言葉に思わず、みくりは人目をはばからず、平匡を抱きしめます。
「ありがとう」
「何に対してのありがとうですか?」
「大好き」
ここはもう理屈じゃないですよねw
過去の呪縛に囚われていた自分、そんな嫌いな自分も含めて受け入れてくれる平匡の存在に、ありがとう、大好き、なのでしょう。
過去記事でも書きましたが、「逃げるは恥だが役に立つ」ということわざは
ハンガリーの「Szégyen a futás, de hasznos.」で、
「自分の戦う場所を選べ」ということだそうです。
人には長所短所があります。時と場合、見方によってはその短所も長所になったりもします。
みくりは小賢しい女ということがトラウマで自分の短所でしたが、人はそう簡単に自分の性格を変えることはできません。
また、頑張って変えようとしても、例えば100人中100人、全ての人から全員に好かれることはできません。
各人によって受け止め方が違うのですから。
そんな短所を改めることよりも、その短所も受け入れてくれる存在が大事だと思います。
簡単に言うと相性なんでしょうけどねw
そして、二人、
これからどうしましょう
わたしが就職したらどうしましょうか
ライフスタイルを変える
続けていきましょう
ハグの日復活
ケンカしたときどうやって触れたらいいか分からなくなる
ハグの日、こうした決まり事(システム)はあったほうがいいのでしょうね。
ケンカしてそれっきりになる場合もありますから…。
これを機にハグの日を作る夫婦も増えそうですw
そして今後の二人に関してはフレンドパークパロディ。
・挙式
・子だくさん→子供の名前が魚ネタですね。カツオ、イサギ、セイゴ、ハツメ、ハタ。
・専業主夫
・別離
・逃亡
これらも恋愛ドラマなどでくっついて完結、もありますが、この話では夫婦がテーマなので、終わりはなくこれからも続けていくことが大事なので、このいくつもの未来や可能性があり、そうした中でも夫婦でやっていくことを現していて良かったと思います。
平匡が言っていましたが、みくりが本格的に就職活動を始めたら、ライフスタイルを変えていきましょうというのも良いですね。
お互い一緒に生きていくことが大事なので、それに合わせて臨機応変、ライフスタイルを変えていくのも今の時代重要だと思います。ドラマでも描かれていたように、今の時代リストラや失業、妻がメインで仕事で行う、などなど、昔と比べて社会が変わっている時代です。夫が定年まで仕事で安定、妻が専業主婦で安定という時代ではなくなっています。生活環境が変わっても、お互いの求めているものが二人で生活することならば、このドラマで描かれていたように夫婦でちゃんと話し合い、ライフスタイルも柔軟に変えていくのが大事だと思いました。契約結婚もその一つの在り方でしょう。
…うーん、余談ですが、そうしたところがこの作品のテーマだと思ってるのですが、ムズキュンや恋ダンスばかりに注目が行っているのは個人的に悲しかったりする部分もw もちろんムズキュンや恋ダンスも良いんですけどねw
そして、
引越し準備しつつ、ハグの日を忘れている日だけどセーフにしておきます。
「火曜からはじめよう」
あ、だから火曜はハグの日、火曜ドラマだったのかと気付きましたw
(でも原作でも火曜もハグの日なのかな?)
●他登場人物
他、登場人物の
・百合と風見の女性年上17歳差カップル
・沼田と梅原のゲイカップル←サプライズだし、YURI(百合)なのにゲイというのも面白い
も最終回で成就します。
これらも今の時代色々言われるテーマですが、さりげなく持ってきてますね。
みくりと平匡は普通じゃないと言ってましたし。
…そもそも「普通」ってなんだろう?って思いますけどねw
この作品を見た人ならば、まさしくテーマのように「逃げるが恥だが役に立つ」=戦う場所を選べ、のように、自分の個性や得意や長所、好きなことで生きる人生を選べ、で良いかと思いますw
契約結婚、年の差カップル、同性愛、良いじゃないですか。
ちなみに「逃げるが恥だが役に立つ」なのに、最後はみんな「逃げない」のが逆説的で面白いです。
登場人物が全員幸せになれたのが良かったですね。
また、各登場人物に呪縛(=トラウマ、囚われ)がありますね。
それに対し、逃げるは恥だが役に立つ、であったり、逃げない、ということも現しているようにも見えました。
他細かいところ
●坂にバラ撒かれた青空市のチラシ
「土屋さんなら拾うな」
と言ってチラシを拾う二人。
これ、地味に良いシーンでした。上司をそれだけ慕っているのが分かります。
そして、今の時代、他人に無関心、道端に捨てられているゴミにも無関心な時代になっています。
そうした中、上司の生き方に感化され、道端にバラ撒かれたゴミを拾う若者は本当に偉いと思います。
…と、感心してばかりじゃなく、自分もそうしていきたいものですw
●日野の奥さん役が、リアル奥さんの乙葉さん
これは良いサプライズ演出でしたねw
リアルでも仲良い夫婦と言われているだけに、この2人が出ているのは良かったと思います。
2016年は不倫ニュースが多い年でもありました。
作中、日野夫婦は仲良い円満夫婦と言っていましたが、最終回でこの仲良いリアル夫婦を持ってきたのが、みんなが望んでる夫婦像でもあり良かったですね。
…ちなみに乙葉さん、昔好きだったなぁw
週刊少年マガジンのグラビアにも出てましたよねw
●みくりのライター就職
タイムリーな社会・パロディネタをぶっ込んでくる作品ですが、ライターと聞いて今度はそっち来たか!?と思ってしまいましたけどw
何のネタかは書きませんけどw
総評・まとめ
元々自分はドラマはあまり見るほうではなく、正直最初もあまり見る気がなかったのですが、人に薦められたり話題性があったので、いわばミーハー気分として見てみたのですが面白かったですね。
ネットで作品の評価が簡単に分かる時代になりましたが、やはり何事も自分で体験してみないと分からないものです。食べてみて美味しければそれで良いし、まずければまずいと言えば良いだけの話で、何より自分で体験してみることが大事で価値があることだと思います。食わず嫌いは一番もったいないかもしれませんね。
作品は話題になるのも納得で、非常に上手くできていました。監督の手腕でしょう。キャスティングや恋ダンス、ムズキュンばかりに目が行きがちですが、脚本、演出、編集、セリフ回しといった地味ながらも細かい部分がクオリティが高く、普遍的テーマと時代性を入れて共感しやすい内容であったり、パロディネタのぶっこみなどが素晴らしかったと思います。
作品のテーマなどの敷居をどの高さに持ってくるかも、ドラマということで万人が丁度良く楽しめるものだったと思います。この辺りが絶妙でした。社会テーマを入れ込み、疲れない程良い加減で、笑いや涙、癒しと元気、幸せがもらえるのは今の時代みんなが求めているんでしょうね。
もちろんキャスティングも、ガッキーと星野源さん始め、他の方々のキャスティングも非常に良く、「恋」の主題歌、恋ダンスも良かったですね。
◇他にも色々映画やドラマの感想など書いています。良かったらどうぞ。
・ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」第10話感想。やりがい・愛情搾取と合理性とは。
・ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」1~9話感想。その面白さの5つの要素とは。
・【ネタバレ無し】「君の名は。」感想。映像・演出で魅せる、ヒット要素が詰まった高クオリティ作品
・【ネタバレ】「シン・ゴジラ」感想 その1~テーマ「現実vs虚構」や設定の描き方~
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